7話 ページ8
貴「あの、予約を入れていた桜木です」
受「確認しますので少々お待ちください」
貴「はい」
久々の診察は別の意味で緊張する。
早く終わってほしい、早く帰りたい、そんな思いが自分の中に積もっていく。
受「桜木様、受付が確認できましたので3番診察室の前でお待ちください」
貴「わかりました。ありがとうございます」
冷静を装うこちらのことは気にしている様子もない受付の人と手続きを済ませ、千尋のもとへと足早に向かう。
貴「千尋、お待たせ。3番診察室の前だって」
千「ん、行こうか」
受付から少し離れた診察室前は時間が遅いこともあって人がほとんどいなかった。
貴「千尋ごめんね、付き合ってもらって」
千「空いてたしいいよ」
貴「遅くなりそうだったら先に帰っていいからね」
千「いや、終わるまで待ってる」
貴「いいよー、明日も学校なんだし」
千「Aの顔色が悪いから言ってんだよ」
貴「えぇそんな酷い？」
千「うん、死んだ顔してる」
貴「っうそ…」
千「まぁ無理はするなよ」
貴「あはは…、ありがとう」
静かな診察室前に腰を下ろしたことで下がりかけていた心拍数が千尋の指摘により一気に上昇をしはじめ息苦しさを覚える。
パニックにならないように深呼吸を1つ、2つ、3つ…
「ガチャッ」
看「桜木さん、3番診察室へお入りください」
看護師さんの後ろに見覚えのある顔が見え、呼吸も次第に落ち着いていく。
貴「千尋行ってくる」
千「ん、行ってらっしゃい」
『外には千尋がいてくれる。それに診察してくれるのはいつもの先生だ。何も怖くない。大丈夫』
そう自分の心に声をかけ、診察室へ進む。
看「桜木さん、こちらにおかけください」
さっきも呼び掛けてくれた看護師さんは優しく微笑みながらそう言うと裏の方へ下がっていった。
貴「失礼します」
看護師さんに言われた通り指令された場所に座る。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
