40話 ページ41
「Aっ…」
夢から覚めたはずなのに頭はぼーっとして視界はぼやけている。
きっと現実でも泣いてたんだ、耳が濡れて気持ち悪い。
「A、大丈夫か」
貴「…んっ」
「こんなに泣いて…嫌な夢でも見たの？」
貴「…んっ、…だれっ、」
声の主を思わず聞いてみる。
「和だよ、ここにいるのは和先生だ」
貴「か、ずっ…せんせっ…」
ずっと私の耳に届いていたのは和先生の声だったみたいで張っていた気が緩んでいく。
貴「んっ、ぁっ…」
和「んっ…どした？」
治まりかけていた涙が溢れるように流れ始めたはきっと安心できる空間だと認識できたから。
和「A、1度体を起こそうか」
だんだん伸びてきた和先生の手がベッドを操作するリモコンに触れるまでを見届ける。
和「A、もうすぐ智先生が来てくれるからね」
泣いたことで次第に覚醒していく頭。
智先生が来るということはこの状況に至る理由を何かしら話さないといけないということだろう…
貴「…いい」
口走った言葉だけど取り消すつもりはない。
案の定こちらの顔を窺うような仕草をする先生。
和「何も話したくない？」
直球すぎる問いにわざわざ来てくれる智先生のことを考えると申しわけなくて反応することができなかった。
和「分かった。智先生には連絡しようか。会いたくないなら無理して会わなくていい」
それじゃあだめなんだ…
このまま我慢していていいわけがないことくらいわかってるから…
私の絞り出した答えは…
貴「…あいたい」
この一言だった。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
