35話 ページ36
和「Aいい加減にしなさい」
貴「…っ」
和「俺らは患者を助けるのが仕事だけどその前に人間なんだよ。目の前で苦しんでる女の子がいるのに迷惑なんて思うわけないでしょうが」
貴「…そんなのしんじられないっ」
智「今すぐに信じなくていい。Aちゃんが俺らを信じられるようになるまで諦めないから」
貴「ずっと信じられなかったら？」
和「大丈夫。信じられなくても離れないから」
貴「…っん」
自分の頬に冷たい何かが垂れた。
智「泣いていいよ」
優しい声が体になじむ。
和「A、もう1人で頑張らなくていいんだ」
そんな言葉たちがすんなり入ってくる。
自分の気持ちなんか知らないふりして今まで生きてきたのに。
罪悪感しか抱えずに生きてきたのに。
先生たちはこんな私でも助けてくれるなんてやっぱり信じられなくて…
でも信じたい気持ちがどこかにはあって。
矛盾した自分と向き合うのがとても怖い。
そんないろんな感情が混ざりに混ざった心は思う以上に疲れていたんだろう。
お母さんとお父さんが死んでから泣くことのなかったせいで涙なんか枯れてしまったんだって思ってた。
でも先生の言葉が優しすぎて温かすぎて…
私はすぐには泣き止むことができなかった。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
