3話 ページ4
愛「入学試験のときに高校行ったけどさ、すごい大きかったよね」
貴「うん、トイレに行くとき迷子になりそうだった。千尋はどうだった？」
千「俺は大丈夫」
愛「確かバスケ部で来てたんだっけ？」
千「そう。何回か練習試合で行った」
貴「じゃあ千尋がいれば私たちは安心だね」
千「いやいや、もし違うクラスだったらどうすんだよ」
愛「えー、私Aと一緒のクラスじゃないなら学校辞めるもん」
貴「それはだめ、違うクラスでも会いに行くから」
千「それに彼氏はいいのかよ」
愛「彼氏よりAがいないと嫌だ」
千「ははは、それはそうだ」
愛「千尋もいないとやだ」
貴「うんうん、そうだよね」
愛「千尋もAも違うクラスでもご飯は一緒に食べようね！」
千「うわー、気持ち悪い」
貴「ちょっと千尋…、私は愛のところ行くからね」
千「はいはい、俺も行きますよー」
他愛もない話でも尽きない私たちは初日の集合場所でもある体育館へと無事に着いた。
愛「体育館も大きいねー、始まる前に私ちょっとトイレ行ってくる」
貴「うん、わかった。千尋と体育館の隅にいるからね」
愛「はいはーい」
可愛い足音を立てながら愛は体育館を離れる。
千「じゃあ俺たちも行くか」
貴「うん」
愛を見送った後、私と千尋は人込みを避け体育館の隅へと足を動かす。
貴「ねぇ、千尋」
千「ん？」
貴「今日放課後予定ある？」
千「今日？特にないけど」
貴「部活は？」
千「1週間後から」
貴「そうなの？じゃあ病院行くの付き合ってくれない？」
千「今日？検診？」
貴「今日と明日」
千「ん、いいよ。放課後席にいて、迎えに行く」
貴「うん、ありがとう」
遠くから愛の呼ぶ声が聞こえ、私たちは体育館の隅から新入生の集まる中心へと歩き始めた。
新入生の独特な緊張が走る空間を息苦しく思いながら校長先生の話に先生方の紹介に次いで校歌を在校生が歌い、順調に式は終わった。
その後私たちはクラス分けと担任の名前が書かれたプリントを貰い体育館を出ると同時に解散となった。新しいクラスには13時に集合となりそれまでは自由に校内を歩いたりお昼ご飯を食べる時間にあてたりするようにと、学年主任から連絡があった。
私たちは人の出入りの絶えない体育館を早々と去り、風のよく通る中庭に腰を下ろした。そこにはちらほら人影が見えたが座り込んで話し込む人はそう居なかった。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
