27話 翔side ページ28
晃「そろそろ俺帰りますね」
智「そう？Aには会っていく？」
晃「いえ、今は眠ってるみたいなのでまた明日でいいです」
智「うん、わかった。Aのことは心配しなくていいからね」
晃「はい、ありがとうございます」
晃はとっくに冷めたコーヒーの最後の1口を飲み干すとカバンをもちドアの方へと向かった。
このままだと何も話さないまま晃と離れてしまう気がした。
俺は迷わず声にする。
翔「…こ、晃！待って、送ってくから」
智「翔、車で来たの？」
翔「うん、まだ飲んでなかったから」
晃「俺1人で帰れますよ」
翔「車の方が早く帰れるでしょ」
智「晃せっかくだから甘えなよ」
晃「いいんですか？」
翔「あはは、散らかってますが…」
智「ふふふ、じゃあまたね、晃」
晃「ふふ、はい、ありがとうございました」
翔「んじゃ行くかー」
なんとか晃を捕まえるのには成功したみたいだ。
2人を薄明りのみが照らす。
駐車場へ続く廊下を歩きながら俺は晃に話しかけた。
翔「異動が決まったらどれくらい帰れないの？」
晃「たぶん3年くらいは帰れません」
翔「そんなに長くいるのか」
晃「翔先生は反対ですか？妹を1人にすること」
翔「え、何で？」
晃「まぁなんとなくですかね」
翔「確かにAのことは心配だけど俺は晃がしたいようにしてほしい」
晃「俺がしたいように？」
翔「うん、晃が本社に行きたいなら俺は応援する」
晃「…翔先生っ」
翔「ほら、体冷えちゃうから早く車に乗ろうか」
晃「ふふ、はいっ」
いつの間にか立ち止まって話していた俺らは手足の冷たくなる感覚に慌てて車に乗り込んだ。
夜風に触れた部分が少しだけ自分を冷静にする。
翔「晃少し時間ある？」
晃「はい、大丈夫ですよ」
翔「じゃあ付き合って」
晃「どこか行くんですか？」
翔「ん、とっておきの場所」
晃「ふふ、楽しみにしてます」
エンジンをかけ走り出すと病院をでてすぐの通りにあるカフェで飲み物とサンドイッチを買い再び走り出した。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
