14話 ページ15
目が覚めると少し明かりの落ちた天井と液を含んだ点滴袋が目に入る。
近くでは誰かの声がする、それも4人くらい。そのうちの一人は千尋かな。それに和先生の笑う声も聞こえる。
起きたことを伝えないといけないのにまだまだ眠くて。
それにこみ上げていた吐き気もない。
楽なうちにもっと寝たい。
それなのにずっと同じ姿勢でいたからか背中が痛くて思わず声が漏れる。
貴「…んっ、」
声に気づいたのか今まで盛り上がっていた声がやみ、複数の足音がこちらへ向かってきた。
和「Aー？起きた？」
貴「んっ、かずせ、んせ…」
雅「気分はどう、Aちゃん」
貴「あっ、…まさ、せんせ…」
千「大丈夫か？」
貴「ち、ひろ…」
智「ふふ、まだ眠そうだね」
貴「さと、…しせ、んせ…」
そばにいてくれたのはみんな知ってる先生だったんだ。
和「ちょっと触るね」
和先生の手が私の手首に触れる。ひんやりしていて気持ちいい。
和「はい、ありがとう」
貴「んっ、…も、っと、」
ぼーっとする頭で冷たい手が離れていったことに寂しさを覚え、
あと少しだけとねだってみる
和「ん？もっと？」
和先生にねだった声は別の人へ届いたみたいで、今度は首元を触られる。さっきよりも冷えた手で。
貴「…っ、」
智「ごめんね、少し冷たすぎたかな」
貴「…んっ、きも、ちぃ…」
智「ふふ、よかった。雅ー、氷枕持ってきてくれる？」
雅「はいはーい」
和「一応熱測りましょうか」
智「そうだね、あ、ここ任せていい？」
和「分かりました」
智「千尋、おいで」
千「うん、なに？」
智「氷がくるまでこうやってAの額を触ってあげてて」
千「わ、わかった」
智「あと晃くんには僕から電話しておくね」
千「ん、ありがとう」
智「じゃあ和頼んだよー」
少し離れたところでそんな声が聞こえた。
今はそれよりも体中の熱さに気を取られて耳に入ってこない。
「ガチャン」
誰かが出ていく代わりに雅先生が見えた。
和「Aもう少し眠りな。みんなここにいるから」
その声で必死に繋ぎとめていた意識がぷつんと切れた。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
