Secret Princess【名前変換】 Part.2 (ページ21)

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朦朧としていく意識の中であの黒のファイルに

書かれていた真実が頭の中を駆け巡る。

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ねぇ、裕翔。

裕翔は私をどんな気持ちで守っていたの?

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貴方の大切な人の命が奪われたのは、私の、私の……

・

私はママがいなくなった時に絶望したよ。

裕翔も同じ気持ちを味わったのでしょう?

なのに、私の前で笑ってくれたんだね。

私のことを心配してくれたんだね。

私を守ってくれていたんだね。

・

数十分前にドアが開く音がしてから無音のこの部屋。

犯人の人たちはいないみたいだ。

・

あぁ、このまま一人、いや独りになるのかな。

それとも犯人が戻ってきたらいつか首に当てられた

ナイフのようなもので刺されて死んじゃうのかな。

・

ママ、今まで育ててくれてありがとう。

女手一つで育てることが子どもながらに大変なことは

ちゃんとわかっていたんだよ。

・

ママのたくさんの愛情のおかげでここまで頑張れた。

でも、もう十分かな。

・

もう、辛いことに耐えられそうにないから

ママの傍に行ってもいいよ。

・

ママ、一人じゃ寂しいでしょ?

私も寂しがり屋なの知ってるでしょ?

・

小さい頃に歌ったきらきら星の曲が頭の中で流れる。

ママとの想い出が蘇る。

・

あ「バイバイ…………」

・

誰に伝えたかったわけでもなく、ぽろっとその言葉が零れて

そうすれば何かを突き破る激しい音が響き渡った。

・

そして、覆われていた布がゆっくり外されて

ぎゅっと体が抱きしめられた。

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