第百四十参訓 ページ17
神楽「……」
新八「……」
銀時がおかしい。
銀時「……」
いやおかしいのはもともとだ。やつが脳内空っぽなのも天パなのも足が臭いのもいつも通りだ。何も問題ない。
神楽「……ジャンプ逆さまアル」
新八「…銀さんこれいちご牛乳じゃなくてバナナ牛乳ですよ」
銀時「…ん、あ、…ほんとだ」
神楽「……」
新八「……」
そう、最近おかしいのは銀時が何かうわの空のように、ボーッとしていること。ジャンプを逆さまに読んだり、いちご牛乳を間違えてバナナ牛乳を買っきたり。
新八「あ!銀さん!結野アナでてますよ」
銀時「……」
新八「……」
終いには大好きな結野アナにまで目もくれなくなった。そして独り言であーだのうーだのブツブツ呟いているのだ。その中で必ず出てくる、あいつ、というワード。新八たちは分かっていた。そう、あの日から。Aと二人で出かけたあの日から彼はこうなってしまったのだから。
神楽「銀ちゃん恋煩いアルカ」
神楽が痺れを切らして淡々と問えば、社長椅子に座りこちらに背を向けているため表情は分からないが、銀時の肩が小さく跳ねた。それでも反応がない彼に新八が続けた。
新八「でもAさんって好きな人いそうにないですよね」
神楽「調査でもしてみるアルカ?」
こいつら確実に面白がっている…。確信した銀時は無視だ無視。と足を組み直し椅子に重心を預け目を閉じた。
新八「土方さんとかとはお似合いだと思うな」
銀時「はぁぁ!?あんなくそったれニコチンマヨ!?ありえねぇっつーの!!」
うわあ反応した。神楽と新八は2人して思った。
椅子が壊れるほどに大きな音を立てて銀時は立ち上がった。なんと分かりやすい男だ。初めからこう言っていればよかった。めんどくさい男だ。また2人して思った。
それにしても、と新八は本題を思い出し考え顎に手を当てた。
新八「やっぱり真選組の人たちがありえるのかな」
神楽「まさかのゴリラだったりな」
銀時「……」
新八「……」
神楽「……」
さらりと言ってのけた神楽の発言に一瞬時が止まった。その場で3人は考えたのだ。あのAとゴリラだぞ…まさに美女と野獣。月とスッポン。いやスッポンのう○こ。例えようのない天と地ほどの差。いやいやいや、ナイナイ。うん。ないですねこれは。まずいつどこでゴリラに惚れる要素があるっつーんだ……そう、思いたかった。
新八「そういや…Aさんって近藤さんとは古い付き合いなんだっけ…」
小さな可能性を拭いきれなかった。
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尾っぽ(プロフ) - 美恵子さん» ありがとうございます!! (2022年7月28日 17時) (レス) id: 96e7b68837 (このIDを非表示/違反報告)
美恵子(プロフ) - すっごくおもしろいです!!! (2022年7月2日 11時) (レス) id: 12d04b5d59 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - たろ。さん» めちゃくちゃ嬉しいです…私も嬉し泣きしちゃう…更新頑張りますね! (2022年3月24日 12時) (レス) id: 469c01063a (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - 紫姫さん» ありがとうございます!イラストに興味がありましたらTwitter垢作ろうか悩んでるのでたぶん今後そちらにあげていきます!笑 (2022年3月24日 12時) (レス) id: 469c01063a (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 泣いたり笑ったり忙しいな。めちゃくちゃ面白くて一気読みしました。更新楽しみにしてます (2022年3月11日 2時) (レス) @page44 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:尾っぽ | 作成日時:2017年8月21日 1時