第百四十弐訓 ページ16
銀時「ったく、それが一番困んの」
貴方「まだ江戸のことはよく分からない」
銀時「…あー、じゃあ」
ガシガシと頭をかいて導き出したプラン。大江戸遊園地に行き、その後に水族館や甘味屋巡り。
初めてだからか些細だが以前よりもコロコロと表情が変わる彼女を見ていて飽きなかった。
あれ、もしかして、これってデートってやつ?そう思えば余計に気分が良くて、Aからどこかへ行きたいと言うとこはなかったが、どこへ行けば彼女が楽しめるだろうかと考えることに苦を感じなかった。
銀時「次はどこがいっかなー」
貴方「……」
銀時「お前もなんか言えよ」
貴方「興味が無い」
銀時「ひどくね!?だから困んのそれ!」
あーあ、俺もおすすめとかねーよ、んー。と頭を捻る銀時をAはじっと見つめていた。
銀時「あ、そーだ。あそこは?なんつったっけ、ジャ○リパーク?」
貴方「…銀時」
銀時「…っ…?」
その視線はとても穏やかで、幸がこもった眼差しだった。
分かっていた。銀時が自分のためにこうしていろんなところへ連れて行ってくれていること。自分が楽しめるようなところを考えていること。全てがその場のプランだけれど、嬉しくて、彼の優しさにじんわりと幸せを感じていた。
.
貴方「ありがとう。銀時」
風が2人の空間を包み込み、Aの柔らかい髪を撫でた。その時間は銀時の心を捉えるには十分で。風と共に彼の気持ちにそれを運んだ。彼女の微笑みに揺れ動く心。
あれ、こいつってこんなにも、綺麗に笑うんだっけ…こんなに、心臓って動いてたっけ、
ドクドクと鳴り止まない鼓動に動揺しながらも彼女はもう一度微笑んだ。
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あぁ、もう…
.
俺が本気でこいつに、
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──恋、するなんて。
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尾っぽ(プロフ) - 美恵子さん» ありがとうございます!! (2022年7月28日 17時) (レス) id: 96e7b68837 (このIDを非表示/違反報告)
美恵子(プロフ) - すっごくおもしろいです!!! (2022年7月2日 11時) (レス) id: 12d04b5d59 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - たろ。さん» めちゃくちゃ嬉しいです…私も嬉し泣きしちゃう…更新頑張りますね! (2022年3月24日 12時) (レス) id: 469c01063a (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - 紫姫さん» ありがとうございます!イラストに興味がありましたらTwitter垢作ろうか悩んでるのでたぶん今後そちらにあげていきます!笑 (2022年3月24日 12時) (レス) id: 469c01063a (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 泣いたり笑ったり忙しいな。めちゃくちゃ面白くて一気読みしました。更新楽しみにしてます (2022年3月11日 2時) (レス) @page44 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:尾っぽ | 作成日時:2017年8月21日 1時