105話 レイン、残酷な現実。 ページ15
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思い出した、
中也を刺したのは私だ。
レイン「わ、わたし、は…………?」
声が震える、
視界が涙でにじむ。
中也を刺した…………!
中也「………………なん、で…………」
ゴホッ、
中也の口から血が吐き出される。
苦しそうに呼吸をする中也、
不規則な息づかいが聞こえる。
レイン「ちゅうや…………中也!」
中也「…………………」
ついに、
中也は倒れた。
……………………嘘だ、コレは悪い夢だ。
レイン「いやぁぁあぁあぁぁあっ!!!」
せっかく、
再会できたのに!!
好きだって、言いたかった!
中也が好きだと伝えたかった!!
ドンドンドンッ、
鈍く何かを打ち付けるような音が聞こえる。
レイン「何…………?」
私の後ろからだ、
ゆっくりと振りかえる。
ラノア「…………レイン!聞こえるかッ!!」
レイン「ラノアさん…………?」
ラノア「お前は悪くない!しっかりしろ!!」
レイン「でも、私がっ!」
ラノア「あれは母がお前を操ってやったことだ!!」
ラノアさんとゼフェルさんが、
ガラスの向こうにいた。
私は「邪魔だ」と思った。
フッとガラスの壁が消える。
ラノア「!?」
ゼフェル「ガラスが…………!」
一呼吸おいて、
ラノアさんとゼフェルさんは駆け寄る。
ラノア「ラルッ!!!しっかりしろ!!」
ラノアさんは、
力無く倒れるラルを抱き起こして声をかける。
ゼフェルさんは私に寄り添ってくれた。
ラル「…………。」
ラルから返事はない、
ラノアさんは突然自らの腕を噛んだ。
その白い腕から結構な血が溢れ、
床に転々と染みを作った。
ラノア「ラル、少しでいいから飲んでくれ。」
頼む…と必死に声をかけ、
その腕をラルの口へ運んだ。
光の消えかけた、
ラルの目が少し揺れた。
ラル「……………………ぅ…………」
コクり、と小さく喉が動いた。
ラノア「…………ラル…!」
血を飲んだけれど、
苦しそうな息は変わらなかった。
私は、
ただその光景を眺めていた。
“ははっ、
“その程度の事で、
私の作ったニンニク毒は消せないぞ”
礼拝堂にライカの声が響く。
“吸血鬼の事は吸血鬼がよく知る”
“それはレミナス用の特別な毒だ”
つまり、
解毒薬を持っているもしくは作れるのはライカだけと言うわけだ。
レイン「ライカを殺せない…………」
私の声が震えた。
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なっちゃんりんご - 低評価されるのは誰でも悲しいと思います。お休みする事は気にしないで下さいね!つんつんさんのペースでいいと思いますよ!ゆっくり待ってますね〜 (2018年7月9日 22時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃんりんご - 初コメ失礼します!この作品大好きです!!中也の前世が吸血鬼という今まで見たことのない作品で興味が湧き、読んでみるとどハマりしました。これからどうなるのかとても楽しみです!応援してます!話は変わりますが、ハッピーエンドでお願いします! (2018年6月30日 20時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つんつん | 作成日時:2018年4月15日 13時