104話 ラノア、私は無力だ。 ページ13
力が抜けていく、
俺は膝から崩れ落ちて落ちた。
レイン(?)「…………ダメじゃないか、仲間の忠告も聞かずに抱きついては。」
中也「レ、イン…………?」
レイン(?)「お前はいつまで経っても愚か者だな?」
左手に包丁をもった女は、
俺を見下ろして笑った。
ラノア「ラルッ!!!」
ゼフェル「キュラル殿!?」
レイン(?)「おっと、近づくな。」
私とゼフェルは、
突然現れた分厚いガラスに行く手を阻まれた。
能力で何処からか転移されたものだ。
ゼフェル「ッ、!?」
ラノア「貴様ッ!!母か!?」
ライカ「私はライカだ、お前の様な怠惰な娘など知らない。」
あの嫌いようは母だ。
レインの姿をしたライカ、
直前までは完全にレインだった。
では、
レインの意識を乗っ取った?
それともレインに変身した?
ラノア「ゼフェル、博識なお前ならわかるか?母は私と同じ能力しか持っていないはずなのだ。」
ゼフェル「…………フランが、自分の前の能力がレインという少女に『前世の記憶』として移ったと…………恐らくは。」
前世の記憶を思い出させているのは
……………………母だったのだ。
ラノア「遅すぎた…………」
あまりにもその事実を知るには、
遅かった。
ラルの腹部からは赤い血が流れ出ている、
その血は止まる気配を見せない。
ゼフェル「あの包丁に何か細工がされていますね?」
ライカ「あぁ、この包丁はきざんだニンニクをすり込んである。レミナスの血族はニンニクが弱点だからな。」
ラルは床に倒れたままピクリとも動かない。
ラノア「ラルッ!まずい!!」
あのままだとラルがッ!!
またあんな思いをするのは嫌だ!!
ライカ「アハハハハハッ!!無様だな、キュラル·レミナス!恋人に殺される気持ちはどうだ!!」
教会に母の高笑いが響いた。
恋人に殺される、
つまりはあの体はレインの物で意識は母だということだ。
ライカ「なんだ、つまらん。もう力尽きたのか…………呆気ないな。」
蔑んだ目、
母はラルを見下していた。
ライカ「そろそろ交代してもいいな。」
ラノア「交代!?まさか…………!」
母は目をつむり、
その場に崩れるように座った。
ゼフェル「もしかして意識がレインに戻るのですか?」
ラノア「…………それはダメだ!残酷すぎる。」
私は分厚いガラスを殴ったり蹴ったりしたがびくともしない。
私の能力では、
血族や私が一度行った座標にしか転移できない。
私は無力だ。
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なっちゃんりんご - 低評価されるのは誰でも悲しいと思います。お休みする事は気にしないで下さいね!つんつんさんのペースでいいと思いますよ!ゆっくり待ってますね〜 (2018年7月9日 22時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃんりんご - 初コメ失礼します!この作品大好きです!!中也の前世が吸血鬼という今まで見たことのない作品で興味が湧き、読んでみるとどハマりしました。これからどうなるのかとても楽しみです!応援してます!話は変わりますが、ハッピーエンドでお願いします! (2018年6月30日 20時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つんつん | 作成日時:2018年4月15日 13時