82話 与謝野晶子、すれ違い。 ページ38
レインと言う患者は、
兎に角何かがおかしかった。
話を聞いて納得した、
『私は前世で奴とは敵対していたんです…………』
前世、ねェ?
最近太宰が何かしていると思ったらまた厄介なことに首を突っ込んでいたようだ。
で、このレインって子は首を突っ込まれちまった方と言う訳だ。
レイン「敵対していた相手にそう易々と前世の記憶を話すと思います?私は絶対に話さない!」
プクーッと頬をふくらませて怒る姿が、
乱歩さんに似ていると感じたのは内緒だ。
レイン「そう言えば…………与謝野さん、橙色と茶色の混ざったような髪色の女の子を見かけませんでした?」
与謝野「女の子…………あァ、太宰が確か家に連れて行ったねェ。」
レイン「い、え…………?」
与謝野「…………まさかねェ、小学生くらいの少女を、太宰が…………?」
いや、
太宰は美人の“女性”が好みのはずだ。
あの女の子は少女だった、若すぎる。
与謝野「その女の子とレインの関係は?」
レイン「家族です!!私の大事な、妹のような…」
…………決めた。
与謝野「妾が手を貸そう。男女平等の世の中で、男が女をもてあそぶなんて見逃せないからねェ。」
レイン「あ、ありがとうございます…………いいんですか?」
与謝野「妾の気まぐれだ、ありがたいと思って手伝わせな。」
レイン「はい!」
妾はレインを連れて太宰の家へ向かった。
─────────────────────────────太宰治side
太宰「…………与謝野先生!」
私が探偵社の医務室に着いた頃、
そこはもぬけの殻だった。
…………失敗した。
与謝野さんにレインちゃんを足止めするように言っておけばよかった。
国木田「…………どうした太宰、今日は非番だろう?それとも仕事をやる気になったか…………いや、貴様に限ってあり得んな←」
太宰「Oh………国木田君、与謝野先生と黒髪の女性を見なかった?」
国木田「俺は四十五分程仕事していたから知らん。デスクワーク前には先生は医務室にいたから外出したならさっきだろう。」
探偵社を出て急いで家へ向かう、
国木田君ってこう言う時に役に立つよね。
逃げた少女が私の家にいる事を与謝野先生から聞いているだろうレインちゃんはきっとそこへ向かっている。
目の前の男が一人、こちらを見つめ立っている。
その男は、
灰色の髪で眼鏡をかけていた。
???「…………太宰治?」
──82話
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与謝野先生の蝶の髪どめ
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年10月1日 10時