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「そっ、か…」
「ごめん…」
「ううん、Aは悪くないよ…騙された私が悪いの。だから謝らないで？」
「蘭、」
悲しげに微笑む蘭に居た堪れなくなった私は、本日の溜まりに溜まった怒りの全てをぶつけるかのように奴に向き直った。
あまりの形相に奴は驚いた顔をしたけれどそんなこと気にしてられない。勢いよく奴の方へ一歩踏み出した私は気持ちに押されるまま口を開いた。
「おまえぇ…乙女の純情弄ぶのも大概にしろ！ちょーしに乗んなよキザ野郎！！」
「おっと…このお嬢さんは随分と手厳しいようだ」
「だまれアホ！！」
蘭のことを放ってギャンギャンと騒ぎ散らしていれば、キッドはそんな私を鼻で笑う。
「泥棒は、嘘をつくのが仕事ですからね」
「やかましいわ！偉そうにすんな！！ついでに宝石返せ！！！」
「ちょっとA落ち着いて…！」
そろそろ手か足が出そう、というところで蘭に止められた私。「もういいから、」という声が聞こえ、ハッとして蘭の顔を見ると若干引きながらも心配そうにこちらを見つめていた。
「っあぁもう！とにかく！今日はもう疲れたから見逃してやるけど！次会ったらお前のことただじゃおかないからな！！今すぐその宝石置いて去れ！！」
ふんす、という効果音がつきそうな程鼻息を荒くして胸の前で腕を組むと、キッドは意味ありげな笑いをしてこちらに近寄ってくる。
「なんだよ、」
「残念ながらタダで返すわけにはいきません。何か代わりのものがないと、ね。」
「はぁ！？お前何様だよ！マジでそろそろいい加減に…」
「わぁ…」
突如腰を引かれたかと思えば視界いっぱいに広がるキッドの綺麗な顔。そして唇には柔らかい感触。
背後から微かに蘭の声が聞こえ、そのまた後ろからはエレベーターが到着した音がした。
ゆっくりと離れていくキッドの顔を見つめていると、後ろから名探偵の怒気を含んだ声が聞こえてくる。
いや、待って？ちょっと、待て？私今…何された？
自分がされたことを理解した途端、たちまち赤くなる顔。
私が口元に手を当てて勢いよく顔を上げると、彼はしたり顔で私を見ていた。
「フッ…そう、私は探偵ではなく泥棒。」
そう言いながら口元にあった私の手を掴み、跪きながらその手にキスを落とす。
「泥棒は盗むのが商売…例えそれが人の心や、唇でも…ね？」
立ち上がった彼は私の唇に人差し指を当て、「こちらはお礼として頂いておきます。」と微笑んだ。
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柯(プロフ) - 青さん» アンハッピーセット、笑 突然の告白ありがとうございます！！ (2021年7月30日 13時) (
レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
青 - アンハッピーセット一つください！お兄ちゃんに投げつける！！（ヤメロ）好きです（告白）最高かよ。 (2021年7月30日 12時) (レス) id: 157c6e138f (このIDを非表示/違反報告)
柯(プロフ) - 凛堂さん» あばばばありがとうございます！！！そう言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです！！ (2021年7月26日 16時) (レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
凛堂 - めっちゃ面白いですね！！ (2021年7月26日 14時) (レス) id: 1c8e857f37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柯 | 作成日時：2021年7月8日 15時
