少尉殿といっしょ【鯉登音之進】 (ページ7)

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隣同士で席に座る。

もちろん手は繋いだままだ。

座って暫くすると汽車は動き出す。

先程から鯉登少尉の様子が少し変な気がする。

なんだか上の空というか、私の方をぼうっと見たままいつもの元気がない。

｢あの…どうかされましたか？｣

堪えきれず私は聞いてみる。

すると彼はふんわりと笑った

鯉登｢…いや。Aがあまりにもむぜで見とれちょった。｣

｢むぜ？｣

鯉登｢可愛らしか。ちゅう意味じゃ｣

ドキ、と心臓が跳ねた。

堪らず顔を背けると、冷静になったのか鯉登少尉がわなわなと震え始めた

鯉登｢ｷｪｯ…ち、ちが！！いや、違わないが！！！違うんだ！！！｣

｢ち、違う？｣

鯉登｢いや、確かに可愛らしかとはずっち思うちょっが、今んな見とれ過ぎて勝手に口から出た！！｣

だから忘れてくれ！！！と顔を隠す鯉登少尉。

私は思わずぷっ、と吹き出してしまった。

｢わかりました、忘れます｣

鯉登｢よ、よし！｣

それでいい！と言うと彼は自分を落ち着かせるように深呼吸をした。