少尉殿といっしょ【鯉登音之進】 (ページ48)

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鯉登side

鯉登｢くそ！どこに行ったんだ！！｣

第7師団の敷地を走り回る。

私がAに買ってあげた簪を握りしめて。

兵舎にも、厠にも、風呂にも、訓練所にもどこにも居ない。

どこか出かけるならいつも彼女は書き置きだとかを置いていく。

そもそも誰にも声をかけずにバケツをひっくり返して敷地内から出ていくなんて考えにくい。

鶴見｢鯉登少尉！｣

低い声に呼ばれて私は振り返る。

どこか殺気溢れている鶴見中尉殿がそこにはいた

鶴見｢見たことない奴らが27聯隊の肩章を付けて意識のないAを担いでいたという証言があった｣

鯉登｢なっ！？その男達はどこへ！？｣

鶴見｢西の方へ向かったと報告がある。あっちには使われていない小屋があったはずだからまずはそこから行くぞ！｣

パン、と私の肩を叩く鶴見中尉殿。

その叩く力にはなんとも言えない強さが篭っていた。

待っていろA、今行く。