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好機到来 ページ32

俺の部屋は、離と言うところらしい
誰もこないらしいから、資料に集中できるはず


部屋に響く万年筆の音、時折紙同士が擦り合わさる音
そして…………


「よっし!」 「また、負けましたぞ…………」


楽しそうな声


あのくそ女に押し付けられた書類を、ほんの少しずつ書く
で、俺の代わりに薬研の相手をこんのすけ頼んでるってわけ


授業も、まともに聞かなかったから
集中力は、愚かやる気もない


慣れていないことを、したせいか
時間が経つにつれ集中力が、減っていく


やる気が出ないときに、書類やるのはめんどくさいし
時間の無駄


俺は、ペンを置き
椅子から立ち上がった


「A様?」

『書類に、疲れた。外の空気吸ってくるわ』

「左様にございますか」


スーと静かに障子を開けて、廊下に出ると
春の暖かい風が、ふぅーと顔に当たる


『はやぁ………………』


自分の本丸持ったら、景趣は春にしよう
桜餅食いてぇ


平和ぼけした、凡人の考え
今なら、俳句出来そうだわ

桜餅 食べた「___! ____!?」


『は?』


さっそく、俳句を作ろうと頭を回転させた時
スミレ様の怒鳴り声が、本丸から聞こえた


反射的に
声がした方へ、走って向かう


やっときたぜ
チャンスがよ!


突然の好機到来により
俺は、酔いそうなほどの喜びを感じる


先輩の予測通り、一日で証拠ゲット
俺は、華々しく審神者に就任………!








この時の俺は、自分が罠に嵌められていることを知る由もなかった

鈍器でドン→←臭い



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作者名:さプる | 作成日時:2020年4月30日 15時

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