集合 ページ29
おかしい…………絶対おかしい
明らかに、短刀が少なすぎる
少ないどころか、一人しかいない
唯一の短刀である、薬研さん
師匠の時少し、話をしたくらいだ
大広間のど真ん中
一人正座をして、様子を伺う
「さて、この本丸のルールを説明するわ!」
殿様とかが座るような場所に、偉そうに座るここの主
なんか、ルールがあるみたいだが………
俺は、周り横目に話を聞き流す
「まず、その一! 他の____」
恐らく、短刀以外の全降りが揃っている筈だ
その代償として、短刀が一人しかいない
隠しているつもりなのだろう、血の臭いがそこかしこから臭う
他には、甘い臭い? なんだ?
「ちょっと! 聞いてるの?」
『あぁ、もちのろんっすよ! 主様!』
「そ、そう? なら、次は____」
こいつ、チョロすぎやしません?
主様と呼んだだけで、この笑顔
熊でも、逃げてくほどじゃない?
「じゃあ、近待を決めて頂戴。でも、さっき言った”物”はダメね」
この女、神様を物扱いしやがった
ギリギリと、拳を強く握る
殺したい、いつか殺したい…………!
恐らく、ここの本丸はカースト制度なんだ
その中で、一番低いのが短刀
状況は、まぁ、なんとなくだが理解できた
じゃあ、迷いはないな
『薬研さんで、いいです』
「…………!」
「あらぁ〜、本当に?! 物わかりの良いこねぇ。それじゃあ、後は薬研よろしくね?
行くわよ。三日月、小狐丸?」
俺は、頭を下げる
バカ女が退出まで
『ふぅ…………。長引きそうだ』
小声で呟いた
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さプる | 作成日時:2020年4月30日 15時