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全力ダッシュ ページ40
「薬研様！」
焦りを含んだ甲高い声で
後ろから、呼ばれてピタッと足を止めた
こっちは、機嫌が悪いんだ……………
「何だ…………よ」
ため息をつきながら振り替えった
すると………
目頭に涙を溜め俺を見上げるこんのすけ
ギョッとして、こんのすけに近づく
「おいおい、どうした？」
「A様が………！」
胸騒ぎがする…………
震えながら落ち着いて話そうとする
こんのすけの次の言葉を待つ
「後頭部から……………ち、血を流して倒れていたんです！ さきほど、部屋に運びましたが……………」
「運んだ」と、言われた瞬間
Aの、部屋へと駆け出す
だから、あいつから血の臭いがしたのか………！
離れまでの道のりを、速さを衰えさせることなく、走る
身体に刻まれた傷や治っていない怪我が、ヒリヒリピリピリと所かしこ悲鳴を上げる
もしかしたら、殺されてるかもしれない
それでも…………間に合え！！
「薬研…………？」
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作者名：さプる | 作成日時：2020年4月30日 15時
