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誰も黒田を呼び止めるものは居なかった。いたたまれない雰囲気が流れるなか、私はひとつため息を吐くとナルの方へ振り返る。

『……。ねえ、ナル。私は、今日は、何をすれば良いのですか?』
「……今。なんていった……?」

驚いた様子で私を見つめるナルへ対して、首を傾げる。

「……?」
「お前『ナル』って言わなかったか?」
「……」
「どこで聞いた?」

険しい表情で問い詰めてくるナルに違和感を感じたのもつかのま。私が、軽々しくつけた彼のあだ名の意味を理解してしまった。ああ、そうか。彼は……。そこまで考えて、私は、ナルを欺けるためにうそぶく。

『やっぱり誰でも思いつくあだ名なんですね。『ナル』って」
「……は?」
『まあ、そんな事よりも。今日は、何をすればいいですか?』
「……そうだな。反応がないから次の手の打ちようがないんだが。……蓮の先輩が人影を見た教室がどこか分かるか?」
『……たしか、二階の1番西側って言ってましたよ』
「よし、そこに機材を置いてみよう」
『分かりました』
「……おっ。おい、あれ……」

滝川の焦るような上擦った声音が聞こえてきた。私は、滝川さんが指さす方へ視線を向ければ、そこには。見知らぬ青年を連れて歩く校長先生の姿が視界へ映り込む。

「やあ。おそろいですな。もうひと方、お着きになりましてね。ジョン・ブラウンさん。仲良くやってくださいよ」

金色に輝く美しい髪を風で靡かせて、ジョンと呼ばれた青年は、愛想良く笑う。初手でうざったらしく絡んできた滝川や松崎とは違く、好印象を持つ。

「もうかりまっか」

言葉の使い方以外は。丁寧に頭を下げたと思えば、口から出た言葉は、礼儀さとは裏腹の言葉だった。これには、校長も苦笑いを浮かべて、ジョンのフォローを行う。

「ブラウンいいます。あんじょう。かわいがっとくれやす」
「その……。ブラウンさんは、関西の方で日本語を学んだようで……」

後ろで『笑っちゃダメよ』笑いを堪えてる大の大人二人に、さすがに呆れてしまう。

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クジラ大好きマン(プロフ) - 柏餅さん» お返事が遅くなりすみません! コメントありがとうございます! (2月18日 23時) (レス) id: 774fe7f9f6 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - 神すぎます! (12月29日 20時) (レス) id: c21f6abdfc (このIDを非表示/違反報告)
クジラ大好きマン(プロフ) - hiyoriさん» コメント有難う御座います! (9月8日 20時) (レス) id: 774fe7f9f6 (このIDを非表示/違反報告)
hiyori(プロフ) - 更新ありがとうございます!楽しみにしてます (9月8日 18時) (レス) @page13 id: 45d5329a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クジラ大好きマン | 作成日時:2023年9月3日 4時

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