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「ホラ話じゃなかったんだ。どおりで詳しい訳だぜ、このオヤジ! マジかよ。此れが金塊の在り処をしるした刺青だってのか!!」

喜びを隠せない杉元を見て、蓮は表情を変える事無く、男の刺青をじっと見詰める。此の、刺青を入れた人間は、何と残酷な事を。この、絵柄を見る限り、皮を剥いで繋ぎ合わせないと暗号を解けに様にしてる。最初から……囚人達へ金塊を渡すつもりなく殺す事を前提に彫られてる。でも……何故。この刺青を彫った人間は……。

「蓮……」

杉元に名前を呼ばれ、ハッとする。

「大丈夫?」

心配げな表情で此方を見詰める杉元へ大丈夫の意味を込めて頷く。すると、杉元は「そっか。あまり無理はしないでよ」頭を優しく撫でる。

「さって。此処に居るのはまずい。早く、違う場所に死体を移さないと埋蔵金の手がかり……ヒグマが戻ってきてコイツを喰っちまう!」

死体となった男を担ぎ、杉元は蓮の方へ振り返った。

「蓮、逸れないようしっかり付いてこい。途中で寝たらダメだからね」

コクリと頷き、二人で安全な場所へ行こうとした時、小さな笹が揺れる物音が近くの茂みから聞こえて来た。物音が聞こえる方へ、二人で振り返れば、茂みの向こうで小さな小熊が此方を見ていた。

「なんだ、小熊か。いや……待てよ? 小熊が居るってことは」

杉元が何かを言いかけようとした時、腹の底から何かが這い上がる程のうねり声が木々の向こうから聞こえて来た。
杉元は、蓮を自身の後ろへ急いで隠すと持っていた歩兵銃を構え様とするも負い革が男の死体の足に引っ掛かり上手く歩兵銃を構えなかった。野生の鹿も追いかけて仕留める恐るべき瞬発力と持久力。ヒグマが自足60キロのトラックと並走し続けた証言もある。先程まで、遠くに居た筈のヒグマがすぐ前まで迫りくる。ヒグマの大きな爪が杉元達を襲う。

「蓮…!?」

死体の男と歩兵銃を抱えたまま、半分体当たりをする見たく、ヒグマの爪から逃れ、二人で雪道を転げ落ちる。

「蓮……! 大丈夫か!? 怪我はないか?」

杉元から少し離れた場所で転がっている蓮へ杉元は声をかける。蓮は、地べたへ寝転ぶ身体を起こし、「大丈夫。怪我もないよ」一言告げる。

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クジラ大好きマン(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメント、応援ありがとうございます。 (2023年1月4日 14時) (レス) id: 9880382174 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしています。 (2023年1月4日 12時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クジラ大好きマン | 作成日時:2023年1月3日 4時

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