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不死身の杉元 ページ5

雪の降る山奥の河原で、一人の男が冷たい川の中でしゃがみ込み、何かを探していた。男の直ぐ傍では、一人の少女が焚火で暖を取り、男の上着を着たまま、器用に座ったまま眠りについている。其処へ、一人の年老いた男が酒瓶を片手に何処からともなくやってきた。年老いた男は、焚火の直ぐ傍に腰を下すと、冷たい川の中で一生懸命、何かを探している男の名前を呼ぶ。

「杉本佐一さん。調子はどうだい。ええぇ?」
「あんた、また呑んでるのか」

杉本と呼ばれた男は、川で拾った無数の砂利を洗いながら、砂金が取れない事を嘆く。そんな、杉本を年老いた男は、砂金を取って設けるのは一握りだと砂金を探すのは目利きが大事なんだと告げる。だが、しかし杉本はあきらめる事無く、砂金を探すべく砂利を洗い続けた。

「杉本さん。あんた、そんなにお金が欲しいのかい? それなら、鉄砲を持っているんだから、猟師になりゃいいじゃねか。それか……」

年老いた男は、焚火の近くで杉本の上着に包まれてあどけない表情で眠る蓮を舐めるような視線で見詰める。

「この子を遊郭へでも売り飛ばせば良いんじゃないか? この子ならば、見た事のない値段で売れるだろうよ」

何気なく吐いた老人の男の言葉を、杉本は鋭い目つきで睨みつける。

「確かに、今の俺には金が必要だが……この子だけは死んでも売らねぇ。この子は、俺のモノだ」

尋常ない殺気を放つ杉本に、男は顔を青褪め冷や汗をかく。「冗談だよ。真に受けないでくれ」震える声で告げる。

「言葉には気おつけろ。次は無いぞ」

未だ、淀んだ瞳で睨みつける杉本を「ああ……すまない」謝罪の言葉を口にし、命拾いしたと酷く安心し、ため息を吐く。

「なあ。お詫びと言っちゃなんだが、面白い話をしてやろう。砂金にまつわる話なんだけどよ。ひとに言っちゃダメだぜ。あんたの事気に言ったから話すんだぜ」

男は、酒を呑みながらぽつりぽつり語り始めた。アイヌの隠された金塊を盗む為、金塊を所有していたアイヌの人達を1人残らず皆殺しにし、走監獄へ収容された男の事。その男が金塊の在りかを外の仲間へ伝えるべく、囚人の身体に刺青を残した事を男は語る。

*→←序章



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クジラ大好きマン(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメント、応援ありがとうございます。 (2023年1月4日 14時) (レス) id: 9880382174 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしています。 (2023年1月4日 12時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クジラ大好きマン | 作成日時:2023年1月3日 4時

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