ロンリーオンリーパラダイス ２〈完結〉

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仕事が終わったから、みっくんが送ってくれた地図を頼りに吉祥寺のラーメン屋さんに向かう。

えーと、この角を曲がって。

「え？ここ？」



そこは一見ラーメン屋さんには見えなかった。

入り口に入るまできれいに手入れされたお庭を通る。

待ってる人はきれいに咲いている花や緑を楽しんだり、フリースペースに雑誌が置かれている雑誌を読んだりできるみたいだ。


中も木の香りがするナチュラルな木の椅子とテーブルで、全体的におしゃれな感じ。

「いらっしゃいませ」

「みっくん！」

入ってすぐの壁にもたれて、みっくんが笑ってた。

「すごく素敵なお店だね」

「そ？お気に召した？」

「うん！すごく！」

「どーぞどーぞ、座って。何食う？」

「みっくんのオススメにする」

「メニュー見ないでいーのかよ」

「いいの。絶対一番美味しいから」

ふはって笑ってみっくんが、わかった、って言う。


みっくんが運んできてくれたのは、シンプルな塩ラーメンだった。

だけとスープも麺もこだわってるのがわかる。


「…美味しー……幸せ」


「だろー？」

「うん、みっくん天才」


食べながらあたりを見回しても、他にお客さんはいないみたいだった。

「完璧だよ。こんな風に女の人でも気楽に来られるラーメン屋さん、なかなかないもん。私は一人でも行くけど、けっこうハードル高かったりするんだよ」

「うん。Aちゃんが前に一人で長い時間並ぶの嫌だって言ってたのヒントにした」

「え？そうだったの？」

「……つーか、どんなお店にしようかって考え始めた時から。ずっとAちゃんのこと考えてたよ」


みっくんが私の目をじっと見た。


「Aちゃんが星5つけたくなる店にしたかった」


「…星5だよ！なんなら今すぐインスタにアップする！」

そう言ってスマホを取り出したら、ネットニュースのポップアップが目に入った。


『女優のミノリ、一般人の恋人発覚！！』

『お相手は某一流企業のイケメン営業マン！
学生時代からの一途な恋』


え……これって。


藤ヶ谷くんのこと、だよね。


写真に撮られたってこと…？



「Aちゃん？どした？」

「あ、ううん。何でもない。えっと写真写真」


内心動揺していたけど、隠して写真を撮ろうとしたら。


みっくんの手が伸びてきて、腕をつかまれた。



「インスタ上げんの待って。
本当はプレオープン明日からなんだ」

「え？」


「Aちゃんに話がある」

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