only love (ページ22)

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†-22 ページ22

職業柄世間体をすごく気にするうちの家。

当然、母の言葉を父が聞き逃すわけはなくて。

父「…不良と付き合ってるのか？」

「そんなわけない」

父「じゃあその男は誰だ、今日一緒に居たのもそいつか？」

だんだんと語気が荒くなり、あたしを見つめる瞳の奥が激しさを増していく。
これは本当に怒っている時の合図。

「ただの先輩」

母「でも、あなたを送ったじゃない」

お願いだから余計な口を挟んで来ないでほしい。
父を苛立たせたいのだろうか？

父「…何？」

「襲われかけて助けてくれただけ」

父「ならその場限りだろう！どうして夜遅くまでそいつといる必要がある！？」

「今日一緒に居たなんて言ってないでしょう！？」

しつこい。
理解がない。
あたしの脳内で何かがキレてしまった。

「大体見た目だけで人を判断しないでよ！見た目が良ければ中身もいいの？差別よ！」

父「中身は見た目に現れる！そいつがどういうやつかなんて見なくても分かる」

こういう時決まって母はオロオロして見ているだけ。
普段あたしにキツく当たるくせに、父が来ると何も言わない。
ユズキもきっと部屋でヘッドフォンでもして、この声が届かないようにしてるんだろう。

「普段干渉してこないのにこんな時だけ干渉してくるんじゃないわよ。いつもみたいに忙しい忙しいって言ってればいいじゃない！！」

この言葉で父も何かがキレたらしく。
ドン、という物を蹴る音と共に立ち上がった。

父「…出てけ。そんな口を聞くような馬鹿はここにはいらない」

外見がよければ中身なんてどうでもいい。
どんなにドロドロと混沌が眠っていても、あんたたちが欲しいのはエリート家族という称号なんだ。

財布、携帯。
それだけを持ち、夜中の街に飛び出した。