～鬼嫁～【妖怪ウォッチ】 (ページ1)

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鬼嫁、運命の出会い。ページ1

それは私、武野ﾀｹﾉ A の

人生で1度有るか無いかの体験談である。

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唸るような夏の暑さにやられながら帰っていく友達を見送るように見ながら

A自身も、唸るような暑さに身を焼かれながら家へ帰っていた。

同じ小学校に通い続けて5年間なのに短い通学路にも慣れず

夏は毎日のようにのぼせ、冬は毎日のように体中をかじかませ

家に帰っているのだ。

しかし、そんなに慣れることができない彼女でも慣れているものは多々あった。

そのうち、他の人にはないであろう慣れもあった。

生まれつき、何者かわかりもしないユニークな者たちが見えるのだ。

彼女はそれを「幽霊」と命名している。

そして、「幽霊」が、人間の生活に影響を及ぼしていることも

彼女自身の少なくない経験で知っていた。

「今日は家に帰ったらヨカ・コーラでも飲もう」

と、口に出すだけでばてそうな夏だった。

少なからずとも軽くないランドセルを背負い

持って帰らなけれならないたくさんの荷物。

『終業式までには持って帰っておくんだぞ。』

と、言っていた先生の忠告を聞かず、1学期末ずっと楽をした・・

・・結果がこれだった。

何回かどうしようかと考えたけども

そんなことを考えている暇があったら汗をぬぐえ、と

体に言われているような気がして、考えるのをやめて汗をぬぐった。

そんなことを繰り返し繰り返し続けていたら、家の前についていた。

幸福感と達成感で私はついに緊張がほどけたのか

手にしていた家の鍵と共に家の影へと倒れこんだ。

あと後分かったんだけど、それは空腹の所為だったらしい。