【SERVAMP】鬼の白絹【憂鬱】 (ページ7)

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07.連れのモノページ7

「お帰りなさいませ若、……そちらは？」

「ただいまシャム。部屋にベル達いる？あとその若ってのやめてってば」

外出から戻った椿にシャムロックが出迎えに赴けば、その傍らに立っていたのは見知らぬ女。

白髪赤眼で額に角のようなモノが生えたその姿は、酷く浮世離れしていて。

非常に気にはなったのだが、シャムロックは尊ぶべき主の問いかけを優先させることにした。

「みな部屋にはおりませんが自室に控えているはずです。呼んで参りますか？」

「そうしてくれる？ああ、ついでに新しく部屋を一つ用意してもらって。この子が使うから」

「承知致しました」

一切の説明を与えないままただ指示だけを飛ばす椿に、彼の忠実なる下僕を自負する男は快く承諾の意を示した。

程なくしてシャムロックが椿の要望した面々を部屋に集め、ビルディングの使用人へ部屋の手配を依頼し終えたところで。

開口一番、傍らにその白子の女を置いた椿は言った。

「新しく家族に加えることにしたAだよ。皆もよろしくね」

あっさりと告げられた言葉に、その場にいた全員がそれぞれ反応を見せる。

「つばきゅんまた拾ってきたのォ～？」

「唐突なのは困ります……」

「若、それは若が新しいサブクラスをお作りになられたという事でしょうか」

「……コスプレ…？」

「たはは、また今回は随分と変わった子を連れてきたんだね椿」

５人が５人とも違った応えを口にする、その中で。

けれど椿の提案に反対した者は、１人としていなかった。

「A、とりあえず名前だけ紹介しておくけど右からべルキア、オトギリ、桜哉、ヒガン、シャムロックだよ。さっきも言った通り全員僕のサブクラス… 吸血鬼だ。ここには他にも何人か僕の家族がいるんだけど、一気には無理があるし追々紹介していくことにするね」

『ええ、』

椿がこうして前触れなく見知らぬ者を身内にすると言って連れてくるのは、特に珍しいことではない。

べルキア達自身もまたそうやってここに集ったサブクラスである故に、今更そこに抵抗を覚えたりはしなかった。

けれどそれ故に、彼らは何を言われなくとも一律に同じ思い違いをした。

椿がまた新しい〝サブクラス〟を連れてきたのだと。

「言っておくけどAは僕のサブクラスじゃないから。大怪我したら死んじゃうかもしれないし、そこらへん気を付けてあげてね」

「「「え？」」」

勘違いにいち早く気付き事実を改めた椿に、今度は一様に疑問の声が上がった。