【SERVAMP】鬼の白絹【憂鬱】 (ページ20)

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20.お勉強ページ20

『あ、椿』

昼過ぎになり起床した椿が自室を出ると、べルキアやヒガンに囲まれてテーブルに向かうAが彼らと共におはようと声をかけてきた。

今日は平日なので学校がある桜哉はいないが、いつものメンバーが勢揃いしている。

「おはよう、皆で何してるの？」

「Aがあ～んまりモノを知らないから、ボクらで教育してあげてるんだよォ★」

「たはは、なんか娘ができたみたいでいいもんだねえ」

スケッチブックか何かだろう、テーブルには大きめの紙が数枚広げられていて、カタカナの五十音やらヒガンが描いたと思われるイラストやらが紙面を埋めていた。

「あはっ！ヒガンがAの父親!? 全っ然似てない…！あはは！あはははは！ははははははっ！」

「娘ではなく孫の間違いじゃないか？」

「あはははァッ！パパって呼んであげなよA～☆」

『ぱぱ…？』

ってなあに？と首を傾げるAにオトギリが説明をする傍ら、ヒガンは嬉しそうに口元を緩ませる。

「いやあ、オジサン照れちゃうなあ～」

「あはははは！犯罪臭が半端ないよヒガン…！
あははっははははは！」

「デレデレすんなよキモいなァ～」

すぐに容赦ないべルキアの言葉に「オジサン傷付いちゃうなあ……」と沈むことになったが。

『？ヒガンさん、きもいってなぁに？』

「たはは……それをオジサンに訊いちゃうのかあ～、参ったねえ……」

「ぎゃははははッ！トドメ！ Aそれトドメだからァ！ヒガンのハート串刺しィ★☆★」

「A嬢は覚えたところでそもそも使わないだろう」

「変なことばかり教えられては困ります……」

知らなくて問題ないと言うシャムロックと呆れたようにべルキア達を見やるオトギリは、まるでAの保護者か何かのようだ。

「つーかぶっちゃけェ……Aっていくつなのォ？ 1000年前から生きてたワリにはおバカだしィ～★」

「あっは！おバカは酷いよベル。Aはちょっとぽわんとしてるだーけ」

『ぽわん？』

「「「ぽわん」」」

椿の形容を受けて不思議そうに首を傾げながら復唱するAに、その場にいた全員が妙にしっくりきて納得していた。