【SERVAMP】鬼の白絹【憂鬱】 (ページ11)

今日:16 hit、昨日:22 hit、合計:43,429 hit

11.ハラスメントページ11

「あー面白くない」

僕だってAのツノ触ったことないのに。

と、そんな呟きは胸の内に仕舞っておきつつ椿が笑い終えれば、今度はべルキアが喜々として話に加わってくる。

「桜哉はマナーがなってないなァ☆ 女子のカラダに勝手に触るなんてェ～！」

「いかがわしい言い方すんな！」

「ベルの言う通りだよ？ Aの角はホンモノなんだから……雑に触ったら痛かったんじゃない？ねぇA」

ようやく当事者であるAに話が振られた頃、既に涙も治まってそのやり取りを見ていた彼女は気まずそうに口を開いた。

『いえ… あの、いきなり触られたから驚いただけで、痛くは……弾みで泣いてしまったというか……ごめんね桜哉くん』

「……こっちこそ、悪かったよ……気をつける」

互いにバツが悪そうにしながらも、ひとまず事は丸く収まったところで。

「ボク桜哉が素直に謝ってるところなんて初めて見たなァ～！超ウケる★☆★」

「あはっ！そうだねぇ、どうせならムービーで録画すれば良かったかな」

「ああ!? 何を録画するって…!?」

それから桜哉をからかうことに余念がない椿の冷やかしは、彼が我慢ならずに自室へ引っ込むまで続いた。

＊＊＊

「今日は朝から騒がしい……困ります」

桜哉と入れ違いでやって来たオトギリが、狂ったように笑う椿を見てため息混じりに呟く。

「やあオトギリ、おはよう」

言って、椿はAの手を取るとオトギリの元まで連れて来た。

「今日はAのことよろしく頼んだよ」

『？』

「A、これからオトギリと買い物に行っておいで」

着替えとか、色々と必要な物あるでしょ。

オトギリの方には事前に話を通してあったのか、一人不思議そうに首を傾げるAに椿が言った。

「ああ、それとオトギリ……ちょっと」

「？」

思い出したように声をかけられて、オトギリはチョイチョイと手招きする椿に寄ると耳を貸す。

「たぶんA、1000年前の文化でいくとあの下いま何もつけてないんだよね……そこらへんも含めてよろしく頼むよ」

「……セクハラは困ります」

耳元で声を潜めて語られた内容に、僅かに眉根を寄せてオトギリが呟いた。

「エ～ッ!? 何つばきゅん、ギリオトに何て言ったのォ!?」

「若が……セクハラ…？」

再び騒がしくなった部屋に「困ります……」と呟いて、オトギリは話の展開がよくわかっていないらしいAを連れてエレベーターに乗り込んだ。