鬼喰イ (ページ29)

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現代版狐狗狸様ページ29

「チカコ。人足りないからさぁちょっと来て」

「どうしたの？」

同じグループのユウコに呼ばれ、私は近付いた。皆は円状に椅子を並べ、ケイタイを持って座っている。

「狐狗狸様やるんだけど……レイコが早退しちゃったから人が足りなくてさぁ。チカコも参加してよ。じゃないと呪われちゃうからさぁ」

にこにこ笑いながらユウコが空いている席に私を無理やり座らせようとする。
狐狗狸様は6人以上集まって、同じサイトにアクセスして行う降霊術型占いサイト──らしい。その的中率はほぼ100パーセントで、必ず当たる！とかお願いごとをすると結果が必ず出る！とかで女子中高生を中心に人気のものだ。

でも、その反面厳しく決められたルールは必ず守らなきゃいけないらしく、一つ目のルール、6人以上の人数でアクセスする──が破られているのだと言う。

丁度アタシを入れれば6人にはなるけど、あまり気が進まなかった。

「で、でも……おばぁにやるなって言われてるんだけど……」

しどろもどろに断ろうとするが、バレなきゃいいの！と隣に座るタカコにスカートのポケットに入れていたケイタイを取られ、アクセスされてしまった。

「はい、これでキョーハン。じゃ、やるよ」

『狐狗狸様狐狗狸様……迷える御霊をお導き下さい』

ケイタイから不気味な機械音が流れ、いきなり画面が血の色に染まる。

「ねっ、ねぇ……真っ赤になったんだけど」

「狐狗狸様が来たのよ。誰から相談する？」

タカコは不気味に笑うと周りをぐるりと見回した。

「じゃあ、私。私から」

すっと手を挙げたのはユウコだった。