305号室のユンギくん。

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目が覚めると、自分ちと違う天井で焦る。
パッと起き上がって見渡すと見慣れた景色が。
ユンギくんちだとわかって安心した。

いつのまにか寝てしまってたらしい。
時計を見たら、夜中の2時を回ってた。
最悪だ…
自分から映画観ようって誘っておいて…。

見渡してもユンギくんの姿はない。
棚の奥、まだ見たことなかったベッド。
そろっと覗き込むと、
ユンギくんが寝息を立てて寝ていた。
このまま帰ってもよかったけど、
一応、一言声を掛けようとしゃがみこみ、
小声で話しかける。





「ユンギくん…」

『…んー……』

「ごめんね…寝ちゃって…
　わたし、部屋もどるね…」

『んー……』






はだけたタオルケットを掛け直そうとした瞬間、
手首を掴まれ、バランスを崩して
ベッドに転がってしまった。





「わっ！ごめん！」

『ん……』





寝ぼけているのか、
そのまま抱きしめられた状態のまま、
ユンギくんはまた寝てしまった。


嘘でしょ…
これ、どうすればいいの…


動こうにも、ガッチリとホールドされていて
身動きが取れない。





「ユンギくん…」

『ん…ヌナ…』

「わたし…帰るよ…？」

『ヌナ……』

「ユンギくん…？」

『……A…うるさい…』





さっきよりももっと、
腕に力が入ってキツく抱きしめられる。
寝ぼけているのか、起きているのかわからない。
離れようにも離れられなくて、
これはもう無理だ…と、潔く諦めた。


久しぶりに感じる、人の温もり。
ドキドキが、次第に安心に変わって、
ユンギくんの腕の中でまた眠りについた。






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