【三代目】その先も【男主】 (ページ22)

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「んじゃ、高嶋くんと初めての飲み会に！かんぱーい！！」

「かんぱーーーい！！」

『かんぱい…あ、どうも』

俺が音頭を取って挨拶をしたら皆一斉に缶を掲げて我先にと高嶋くんの缶に当てていく。
それに対して律儀に一言一言返す高嶋くんの様子を見るに、やっぱこういうの慣れてねぇんだなって勝手に納得した。

「はいはい、高嶋くん律儀に挨拶返さなくていいから。飲んで飲んで」

『あ、はい。いただきます』

そう言って漸く缶に口を付けたのを見て、何か今日は色々と珍しい光景ばっか見てんなーって、感慨深いような気さえする。酒飲めたんだな。
未成年じゃないから、飲めない事は無いんだろうけど誘いを断られ続けてたからてっきり酒は苦手なのかと思ってた。
高嶋くんも、何か楽しそうっつうか、あのタラシな微笑みを浮かべてるもんだから調子に乗っちゃったのかもしれない。

「高嶋くん普通に飲めるじゃん！これからはじゃんじゃん誘ってもいい？」

『あ…飲めるんですけど、あんまり量は飲まないんです』

「そなの？弱いとか？」

『そう、ですね。弱いのもあるし、喉にも、あんまり良くないかなぁって…控えてます』

「えっ、でも隆二も臣も普通にめっちゃ飲むよ？高嶋くんも、そんな気にしなくても大丈夫…」

大丈夫だから、もっと飲もうよ。までは言えなかった。
俺が気付いた時には、高嶋くんの横顔が酷く歪んでいて、どこか寂しそうな、何かに耐えてるようにすら見えた。
そんな顔は初めてで、何て声を掛けたらいいのか、どうしてそんな顔をしてるんだよ。色んな疑問とか困惑だとかで頭がグルグルして、硬直していたら

『そうですね。考えておきます』

なんて、困ったように笑いながら言って、でもそれ以上この会話は許さないとばかりに直ぐ俺から視線を外した高嶋くんの横から、気付かれないように顔を覗かせた臣に視線を向けられる。
うん、分かってる。完全に拒絶された。
今のは、暗にこれ以上踏み込んでくるなって、そういう事だよなって分かる。
あー、俺地雷踏んだわ。