エースの妹はエースなわけで。3

87話!! ページ13

お久しぶり本編
・


｢…ユキ先輩にしては返信早かったですね｣


鴎台が試合してるコートの近くの座席に座りながら話す。


｢彩羽のヒーローとやらを見たくてね｣


私にとってもヒーローかも。と付け足すユキ先輩。
なんで？という顔をすると、ユキ先輩は話を続けた。


｢彩羽のヒーローのおかげでスランプ抜け出して、私たちが勝って来れてるわけだし｣


ユキ先輩いつもクソ冷たいくせにこういう時だけグッとくること言ってくるもんなぁ…


｢…ゆぎぜんばい…ずぎでず…｣


｢うわっ顔べっちゃべちゃ！汚！｣


｢びどい…｣

＿＿＿＿

やっぱり彼のプレーを見ると心が踊る。
心臓が脈打つのが早くなるのを確かに感じる。


高い、速い、上手い。
…かっこいい。私は上手い人のプレーを見てる時やバレーをしている時、よく｢目がキラキラしてる｣って言われるけど、多分今までで1番｢キラキラ｣していると思う。


『また星海ー！これぞ、八面六臂の大活躍！！
これぞっ！！


小さな巨人ーーー！！！』


…彼に、…彼みたいに、なりたい。


｢…え、彩羽泣いてる？｣


ユキ先輩に言われて、え？って思って頬を触ると確かに濡れた感触。
…え？！私泣いてんの？！


あ、そうか。彼の公式戦を生で見たのはコレが初めてなのか。
なんかすごく光来くんと話したくなって、ダッシュでコートに向かう。


下に降りると、光来くんはインタビューを受けてる最中で、何かを答えてた。


｢小さい事はバレーボールに不利な要因であっても！不能の要因ではないッ！｣


あぁ、彼は本当に、どこまでもかっこいい。
また頬が濡れていく感触がする。バレーで感動して泣いたのなんて初めてだ。


幸郎くんがその後光来くんを止めてインタビューのお姉さんに謝らせてた。


｢光来くん！！｣


名前を叫ぶと、光来くんはこちらに振り返った。そしてめちゃめちゃビックリした。幸郎くんも驚いてた。


｢…？！彩羽？！なんだ、誰かになんかされたのか？！ど、どうしたんだ、？！｣


｢光来くんかっこよかった、私も…、光来くんみたいになりたい…！！｣


再びボロボロと溢れ出す涙。
光来くんは黙って頭を撫でてくれてた。
それを見てか別のインタビューの人が駆け寄ってきた。


｢星海選手と木兎選手はどのような関係なんですか？！プレースタイルが似ているようにも見えますが…｣


その言葉を聞いて、頬を濡らしていた涙を袖で拭って笑顔で答えた。


｢光来くんは私のヒーローなんです！｣

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