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樹サイド
俺の隣にきょも、向かい合わせで瑠知亜さんがソファーに座ると、
きょもがすぐに口を開いた。
大我「あの、どうしてここに…?」
瑠知亜「彼と息子が住んでいる音楽塾に居候している人がいるという話を聞いて、気になってしまって、彼と息子に会いたくなった事もあって、戻ってきてしまったの。そしたらまさか、元夫…
だんだんと、低くて弱々しい声になっていく瑠知亜さん。
よっぽど会いたかったんだし、知らなかった事もあってか、ショックなのだろう。
樹「きょも。実はさ、こんなの見つけたんだけど」
大我「それって?(・・?)」
樹「あー、塾長のお父さんの部屋で見つけたんだ。瑠知亜さんが連れていってくれて、置いてあったダンボールの中に入っていた。どうやら、アルバムみたいなんだ」
大我「(ええっ!?亜瑠都さんの部屋に勝手に入ったのΣ( ゚Д゚)!?って、瑠知亜さんは元奥さんだから分かるか…(ーー;))」
樹「アルバムを見たんだけど、音楽塾に住み始めた頃の亜瑠都さんや瑠知亜さんと一緒に写っている写真があったかな。あと、お腹が大きい写真も」
大我「(…俺と嶺亜だけの秘密だったのに、とうとう樹まで知ってしまったか(ーー;))」
樹「…それで、ここからが本題なんだ」
大我「本題…?」
きょもが聞くと、瑠知亜さんは頷いて口を開いた。
瑠知亜「実はね…」
大我「…えっ…( ; ゚Д゚)」
その話を聞いたきょもは顔を青ざめ、しばらく立ち尽くした…。
嶺亜サイド
嶺亜「くたびれたぁ…(ーー;)」
1日中、暑さで顔や体に汗が出ながらもアルバイトを終えた。
とはいえ、クーラーがきいているし、ウォーターサーバーまで用意してくれるのは、有り難かった。
終わったのは、夜の6時30分。
もうすぐ夕飯の時間かな…。
コンコンコン(ノックの音)。
嶺亜「はい…(ーー;)?」
スタッフ『お食事を持って参りました』
嶺亜「あっ、どうも…」
疲れで怠く返事したけど、部屋に入ってきたスタッフさんは、
気にすることもなく食事を持ってきてくれた。
スタッフさんは「失礼しました」と頭を下げて、部屋を出ていく。
嶺亜「いただきます…うん?(・・?)」
クロッシュを開けると、1枚の紙切れがお皿に乗っていた。
恐る恐る紙切れを手に取り、ゆっくりと開いた。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時