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嶺亜サイド

大我「どんな人でした…?」

兄さんが恐る恐る聞くと、城山さんは口を開いた。

璃蘭「姉様は、やや人見知りだけど頭が良くて、歌も上手くて、将来は自身も聖職者…シスターになって困っている人々を救いたいという目標を持っていた。あー、うちは聖職者の家系なんだけど、あたしはカメラマンになるのが夢だったから、聖職者にならなかったよ」

大我「ご両親からは反対されなかったんですか…?」

璃蘭「最初は反対されたけどね。でも、大学を卒業するまで正式なカメラマンになったら認めるって言われた。それから、晴れてカメラマンになって、写真展を開催したり、写真集を出したりしてる。毎回、開催している写真展には、お父様とお母様が必ず見に来てくれて喜んでくれるの。たまに、ダメ出しされるけどね。でも、お父様は『お前が撮る写真が1番好きだ』って。お母様も同じ答えだよ」

嶺亜「…」

璃蘭「話が逸れちゃったね(^_^;)。実は姉様、レジーナ学院の卒業式当日の夜、両親と大喧嘩しちゃって。その後、何も言わないで駆け落ちしたんだ…(´・_・`)」

大我「駆け落ち…」

駆け落ち?何だそれ?

璃蘭「そう。姉様、お腹の中に赤ちゃんが出来ちゃって、それで両親と揉めて…。1度、姉様と再会した時に、相手をあたしに教えてくれたの」

大我「それは、誰なんですか!?」

嶺亜「…」

璃蘭「…名前までは教えてくれなかったけど、お金持ちの高校生だったよ。会った事もないけど、王子様のような顔立ちをしていたみたい。高校生の頃はバンドを組んでいて、ギターとボーカルを担当していて。どうやら、あたし達家族や友達に内緒で、恋愛していたみたいなんだ…」

嶺亜&大我「!!!」

塾長のお父さんの恋人…つまり、

塾長のお母さんは、聖レジーナ学院の卒業生で、

聖職者の家系のお嬢様だった…!

大我「そ、それで、その人は今はどこにいるんですか!?」

璃蘭「それが分からなくて。連絡しても繋がらないから、電話番号もメルアドも変えた可能性が高いし。ふたりの兄様は、姉様に関してはもう知らんぷりよ。当時、聖レジーナ学院は恋愛禁止だし、城山家でも高校を卒業するまでは恋愛禁止だったから。姉様を期待して信頼していたお父様も『見損なった』って。あたしだって恋愛したかったけど、高校を卒業するまで我慢したから」

大我「そうですか…」

ずっと、2人の会話を聞いていて、

気になったことがある。

俺は立ち上がって、2人の元へ向かった。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時

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