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大我サイド

大我「俺ね、親はいないんだけど、親代わりの女性はいたよ。美しくて優しくて、音楽を愛するお方だったんだ」

星輝「へぇ〜…」

大我「でも、2ヶ月前にいなくなっちゃって。俺にとっても嶺亜にとっても、お世話になった人だから。今でも、楽しかった日々を時々、思い出すんだよ。忘れた事なんて、1度もない」

星輝「慕っていたんですね、その人の事」

大我「うん」

だいぶ歩いて、港町が少し見えてきた時だった。

星輝「っ!?何で…( ; ゚Д゚)」

大我「(アイツら、先回りして来たのか!?)」

男性「坊ちゃん、こちらにいましたか!」

女性「心配していたんですよ、坊ちゃん」

目の前には、樹が乗っていた車を追っていたはずの男女2人。

俺は星輝を守るように、前に出た。

坊ちゃん…星輝の事だよね。

星輝「(小声で)京本さん!あの2人、武器を持ってます!」

男女2人の手にはナイフが握られていた。

それに対して、俺も隠し持っていた短剣を出して手にする。

この短剣はオンディーヌ一族の証の1つで、

生まれた時に、授けられるんだ。

最近、使っていなかったけど、

ここで使われる事になるとは…。

男性「さぁ、坊ちゃん。帰りましょう」

女性「旦那様も奥様も心配しています。その者(大我)から離れて、こちらへ」

星輝「い、嫌だ!か、帰るもんかっ(>_<)!」

後ろに隠れている星輝が、ギュッと俺の服の裾を握った。

大我「(これじゃあ、港町に行けない!…うん?)」

微かに聞こえる、川の音…。

そうか!この道の近くに、川があるのか!

バスや車で港町に行く時に橋を渡るんだけど、

橋の下に川が流れていた。

つまり、港町の海に繋がっている!

あっ、でも…そうだった。

やっぱ、強行突破するしかないか!

大我「あ、あんた達!そ、そこをどくんだ(`へ´)!」

男性「そうはいかない。私達は、そちらの坊ちゃんを連れ戻しに来たんだ」

女性「渡さないと、誘拐した罪で警察を呼ぶわよ?」

星輝「こ、この方は、俺を助けてくれたんだ!誘拐犯って言うな(`へ´)!」

女性「実験台にされ続けたから、頭がおかしくなりましたのね。可哀想に…」

大我「頭がおかしいのは、この子の伯父夫婦だろ!」

男性「旦那様と奥様を侮辱するとは、何て無礼な!」

いつまでも言い合っているのは、時間の問題だ。

ここは…。

大我「走れ、星輝!」

星輝「は、はい!」

男性「待て!…っ!?」

カキン!

大我「この先は、行かせない…!」

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時

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