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手越サイド
GPSって言ったし､やっぱりここにいる事を嗅ぎつけた訳ね｡
よーし､次の作戦だ｡
手越「浮所くんのマネージャーさん｡彼は確か､天才バイオリニストですよね｡随分と多忙なのでしょうね」
金元「え､えぇ…｡テレビにも引っ張りだこですし､コンサートや音楽系の大会にも出場して､私も彼の活躍を嬉しく思っていますわ」
手越「風の噂で聞いたんですけど､浮所くんを有名にしたくて売り込んでいるそうですね?」
金元「そうですけど｡それが何か?」
手越「彼､この所､相当疲れていると､ネットに書かれているのを見たんです｡マネージャーなら､彼の異変に気づく筈では?」
金元「そ､そんな事ないですわ｡そんな事…」
動揺し始めたな｡よーし､もういっちょ!
手越「それに､ご両親の代わりに浮所くんの保護者代わりだそうですね｡彼は相当､マネージャーさんを家族だと思っていると思いますよ」
金元「…」
手越「あー､そういえば､この前…」
金元「さっきから何なのよっ(｀へ´)!!」
イライラした浮所くんのマネージャーさんは､思わず声をあげた｡
金元「あなた､私を取り調べてるみたいに聞いて､どうするつもり(｀へ´)!?」
手越「取り調べてるみたいって､僕は警察じゃないですよ(^_^;)｡それよりこの前､うちに居候している男子高生があなたが焦っているように見えたのを見掛けたそうです｡何か訳があるんじゃないですか?」
金元「(見られていたの!?)そ､それは…」
手越「こんな事を聞くのは失礼ですけど｡あなた､浮所くんを利用してお金を稼ごうとしているとか?」
すると､マネージャーさんは黙ってしまった｡
手越「家族だと思っていた彼が聞いたら､何て思うでしょうね｡浮所くんのご両親も」
金元「…そうよ」
遂に観念したのか､口を開いた｡
金元「私は家族が作った借金を返すために､いくつもの仕事をしていたの｡稼げなかったら､転々として…｡その繰り返しが､毎日のように続いていた…」
手越「…」
金元「そんなある日､芸能事務所のスタッフの募集をやっていて､応募して採用された｡スタッフとして働き､やがて飛貴のマネージャーを任されたわ｡当時中学1年生の彼は､既に天才バイオリニストとして活躍していた｡そこで､気づいたの｡彼を売り込んで沢山､稼いでもらえば､沢山のお金が貰える｡彼を利用する事を思いついたのよ」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年5月11日 23時
