はじまり ページ1
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「A」
空気がじっとりと熱を含んだ、7月の終わり。
特にすることもなく、コップの麦茶にぷかぷかと浮いている氷を眺めていたら、母親に名を呼ばれた。
あまりの暑さに振り向く気力すらない。寝転がったまま目線だけをそちらに向ける。
「なに？」
「今年もおばあちゃんの家、行くでしょ？」
そう聞かれると、ああ…もう、そんな時期か、なんて言葉が無意識のうちに飛び出した。
毎年、8月になると私は1人で宮城のおばあちゃんの家に行く。
その期間はだいたい一週間ほど。
とは言っても特に何かをするでもなく、涼しい部屋でのんびりしたり、おばあちゃんとご飯を作ったりするだけ。
兵庫に住む私はなかなかおばあちゃんに会えないから、特別なことをしなくても十分楽しい。毎夏の楽しみだ。
「行く。何日から？」
「そうね、お盆の後がいいかしら。18日頃からどう？」
「んー、そうする」
部活に入っていない私は、夏休みはやることがあまりない。
言っても今年は受験生だから勉強はするべきだけれど、やはりそればかりだと気が滅入る。
息抜きができた喜びからか少しだけ元気が出てきて、いくら頑張っても起こせなかった上半身をなんとか持ち上げた。
久しぶりに会うおばあちゃんの柔らかな笑顔を思い浮かべ、自然と私の顔も綻ぶ。
向こうで何しようかな、とまだ先の話だが漠然と考え始めた。
高校最後の夏のことだった。
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すーも(プロフ) - S.Eさん» S.Eさん、コメントありがとうございます…！スランプだったんですけどめちゃくちゃモチベ上がりました！頑張ります、最後まで楽しんでくださると嬉しいです！！ (2020年11月29日 9時) (
レス) id: d064647486 (このIDを非表示/違反報告)
S.E - めちゃくちゃすきです…!!え…瀬見さんかっこよすぎません？？白鳥沢と稲荷崎とか私得すぎて… 更新楽しみに待ってます！！無理せずに頑張ってください！！ (2020年11月27日 21時) (レス) id: fd1540b68a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すーも | 作成日時：2020年8月4日 19時
