檸檬２ (ページ3)

今日:24 hit、昨日:35 hit、合計:321,807 hit

・ページ3

「何でって、自業自得じゃん。」

「仕方ないよ。立場上、AはUDIでは、法医解剖医だけど、臨床検査技師として中堂班に入ってるし。」

「はぁ、早くA、帰ってこないかな～あの人の暴走止めれるのAだけだよ。」

「そうだねー・・・。」

３人で昼ご飯を食べながら、
話題はUDIラボの話へ、

久部が、UDIラボは、国立の研究施設になる予定だったことを聞くと、
東海林は、笑いながら、いつの間にか泥船に乗っていたと言う。

「他の人ができないことをやってる訳だから、なんとか存続させないとね、そして、いずれは、UDIラボを全国にね！」

「中堂さんがいる限り無理。」

ミコトの目標に、東海林は、バッサリと切って答えた。

それを聞いて、久部が、

「でも、中堂さんって意外と愛社精神ありますよね。」

と呟いた。
その言葉に、東海林は、はぁ？と答える。

「いや、前に言ってたんですよ。俺は、誰に何言われようが、UDIラボはやめないって。」

その言葉に、ミコトは先日の所長との話を思い出していた。

『運ばれてきた恋人の他殺体を何も言わずに解剖したんです。その行為が証拠隠滅だと騒がれて誤認逮捕されてしまった。

その現場には当時、記録員だった市ノ瀬さんもいました。彼女も当初は、中堂さんとグルではないかと疑われていました。

しかし、その場にいた警官が、彼女は、姉の死体を目の当たりにして、嘔吐してしまい。解剖室を出たことを証言したんです。

その証言から一転、中堂さんが加害者。市ノ瀬さんが被害者遺族という形となった。でも市ノ瀬さんは、最後まで中堂さんの無実を訴えていました。

その甲斐もあり、中堂さんは釈放されたものの、彼の恋人、糀谷夕希子さんを殺害した犯人は、まだ捕まっていません。

UDIラボには、厚労省、警察庁と全国の医大を結ぶネットワークがあります。年間17万体に及ぶ不自然死の情報がすべて集まるのは、ここだけ。』

『それが、中堂さんがここにいる理由ですか？』

『はい、糀谷夕希子さんの遺体と同じ特徴を持つ遺体を探しているようです。』

『犯人は、連続殺人犯なんですか？』

『中堂さんは、そうみているようですね。』

『その、ご遺体の特徴っていうのは？』

『口の中に、しるしがあると言ってました。警察を動かすほどの証拠にはならない。微かな、赤い金魚のような・・・。』

『・・・・赤い金魚？』