【名探偵コナン】近所のお姉さんが可愛すぎる件。

四話(ご飯編) ページ5

「赤坂さん！」

私を見つけて、ぱたぱた駆け寄ってくる黒羽くん。
まるで尻尾を振ってるゴールデンレトリバーみたいでなんだかほっこりする。
黒羽くん、弟みたいで可愛いんだよね。

「あら、黒羽くん。今から帰り？」

声をかけると、はつらつとした笑顔を向けてくれた。

「はい！……カレーの匂いですね、今日はカレーですか？」
「良く解ったねえ…あ、ご飯まだなら、よかったら食べて行く？」

匂いで晩御飯を当てられた。やっぱりこの子ゴールデンレトリバーなんじゃないか。

ふと、黒羽くんの家にはお母さん不在なのを思い出して夕食に誘ってみた。
危ない子じゃないだろうし、そのくらい良いよね？

「いいんですか！？是非！あ、じゃあ家に荷物置いてきます」

嬉しそうにだった顔をさらに緩ませる黒羽くん。
ゴールデンレトリ黒羽くんって呼んでも良いかな。
本当に可愛いなあ。

「はーい、いってらっしゃい」

そう言うと、急に黒羽くんがぴたりと動きを止める。
「…赤坂さん、それもう一回」もう一回？いってらっしゃいを言えばいいのかな？

「？……いってらっしゃい？」

「はい！」

とりあえず応えてみると、本当に花が咲いているような笑顔を浮かべ、幸せそうに走っていってしまった。

何だったんだろ。そんなに『いってらっしゃい』が嬉しかったのかな？

「…あ、もしかして」

全力で走る黒羽くんの背中を見て、ふっと思い至る。

家に誰も居なくて、普段から『いってらっしゃい』って言われないのかな。

だから、あんなに嬉しがったとか。

…それは無いか。話を聞く限り、黒羽くんママはちょくちょく戻ってきていらっしゃるようだし。

何にせよ、楽しみにしてくれるなら良かったな。


(赤坂さんにいってらっしゃいって言われた！マジで俺の嫁ひゃっほう！)

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