煌めく炎。 ページ44
少女が飛び降りた瞬間、人の波はそちらへ一斉に動いた。
彼女を捕らえ情報を吐かせようとする者や誰かに自分の情報が渡る前に殺そうとする者…「殺す！」といった奴らはなぜか転んだり、少女を狙って撃った弾は的外れの方向にいったりと混乱に満ちていた。
一言でいうと、カオスだ。
Mr.3は、少女が飛び降りた瞬間こちらをチラリと見たのが分かった。
( 今か！)
いま、殆どが火拳のエースに注目してない。
自分も少女の演説に囚われ動けなかったが、ハッとした瞬間、ろうで作った鍵を捕えられた火拳のエースの手錠に差し込み──その背中を、思いっきり蹴った。
「なっ？！」
驚きの声をあげたエースが咄嗟に炎となった瞬間、その下に青い炎が滑り込んできた。
「マルコ！！」
「このままAのとこにいくよい！」
「させるかァ！」
誰よりも早く事態に気づいたセンゴクが、仏となって二人まとめて潰そうとするが、一人戦場を走り続けたルフィが、その間に立ちはだかった。
「エース、行け！」
「すまねェルフィ！」
運がいいことに、下から風が吹きつけているのか、Aの落ちる速度が弱い。間に合う、だが他の奴らより速くいかねば──！そう思って加速した瞬間、Aの落ちるスピードが速くなった。
＊＊
ビュウビュウと、風がうるさい。
こちらにたくさんの人が走ってきているのが見える。みんなみんな、欲に塗れた顔をしていて必死の形相だ。そんなに、情報が欲しいかなぁ。
処刑台の方を見ると、エースが炎となってて、思わず安堵で笑った。よかった、成功したんだ。
すぐにマルコさんが見えた。その後ろに、白ひげ海賊団の皆が、白ひげさんが見えた。
その後ろに、青い、あおい海が見えた瞬間───
(…………生きたいな。)
ぶわり。
当たり前のように、そんな感情がこみ上げてきた。
( 元の世界も、こちらの世界も。……私は─── )
その瞬間、落ちるスピードがギュンと上がった。
──死にたいと思ってる限り、あなたは死ねない。
もう、そうは思わない。
幸せ、だった。
( ─── きっと、愛してる。)
皮肉だな。
そう思って、目を閉じた。
「A！」
どこからか、声がする。
死ぬのか。
でも今更、私は、"A"を象ってきた者たちと、まだ、生きたくなって、だから───
『 ──死にたくない！！』
「言ったな？」
目を開けて声を張り上げた瞬間、目に飛び込んできたのは赤と青の炎だった。
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xxxxxers(プロフ) - 本当にワンピースミリしらでタグにトリップと書いてあったので興味本位で見てみたんですけどなんとこんなに面白くて考えさせられるお話だとは！！！もう本当にあとがきで書いてあることって事実だなーって思って涙が止まりませんこんな素敵なお話ありがとうございました (4月27日 22時) (
レス) @page50 id: 13f4a23a05 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - お話自体も泣けるしあとがきで追い討ちかけてきた…最高すぎる作品です…‼︎ (2月28日 22時) (レス) @page50 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - この話凄く好きです！最後の方泣きそうになりました笑他の作品も読んでみたいなって思いました！ (2月3日 6時) (レス) @page50 id: 8f0b2947d1 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - すんごくよかったです！ワンピースの作品を読んだのは初めてなんですけど、面白かったです！夢主ちゃんの優しいところがすごく好きです！ありがとうございます！ (9月2日 12時) (レス) @page50 id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 何年も前に読んだこの作品の内容をふと思い出して、必死に検索し続けてようやく再会出来ました。最後に読んでからこんなに年月が経っているのに、また読みたいと思わせてくれるような作品を作ってくれて本当にありがとうございます (8月7日 0時) (レス) @page50 id: 0f8f6ed9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年2月3日 9時
