背筋を伸ばし。 ページ42
『これ映ってるかなー……あ、映ってるね。』
確認するようにチラリと目線が動いた。……ということは、このモニターが見ることの出来る範囲内にいるということだ。
名だたる海兵、海賊達が一斉に見聞色の覇気を使うが───分からない。
彼女は異世界人。
覇気は、通用しない。
『えーと、紙の人！大丈夫そう？良さげだったら合図よろしく。』
かみのひと…？神…？なんのことだ？とざわめく中、処刑台の上───処刑人の手が、一瞬親指を立てたのに気づいた者は、A以外にいなかった。
＊＊
Mr.3は、ある日、変な手紙を受け取った。
「私が気を引いてスキができた瞬間、よろしく。」
一言で言うとはあ？だ。意味わからん、とポイと捨てかけたが…なんとなく気になってとっておいた。
それが、麦わらのルフィが現れ、脱獄が成功し、恩返しのためにスキを見て処刑人に成り代わった。
そして、モニターに現れた少女の言葉で、ようやく理解できた。
(あの手紙は、いまこの瞬間のことを言っていたのか)
……なぜ分かった？おれがこのような行動に出ると。疑問は多い、だが、今は流れに身を任せよう。
そう心を決め、背筋を伸ばした。
＊＊
こちらに気付かずモニターを凝視して動きを止めた海兵や海賊を、塔のてっぺんから見下ろす。映像電伝虫ハッキング成功してよかったー。
えーと……白ひげさんは無事。隊長さん方も怪我はしてるけど重症ではない。
これなら、エースを解放さえすれば、なんとかしてくれるだろう。とりあえず、原作通りに進めなければいいんだ。原作で、エースは死んだんだから。
すぅ、と息を吸い込む。
『こんにちは、"異世界人"のAです。』
突然の出来事に、ザワリ、大きく戦場が揺れた。
「異世界人……？！未来を知るっ、ていうか？！」
「んな、そんなの迷信だろ！」
『えー迷信かどうかは海軍のお偉いさん方がよーく分かってるんじゃないですかね？』
処刑台の上のセンゴクさんや、その下の大将さんたちの表情が強ばってるのが分かる。
『私は海軍で捕えら…失礼。質問を受けて……未来を知らない、と吐きましたが。すみません、本当は知っています。』
場の雰囲気が一気に変わったのが分かった。
戸惑い、不信感。
そんなものが、好奇心に変わるのが。
『───未来を……いや、この世の全てを、教えましょうか。』
ゆっくり、惹き込むように。
ざわめいていた空間が、一瞬で静まり返った。
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xxxxxers(プロフ) - 本当にワンピースミリしらでタグにトリップと書いてあったので興味本位で見てみたんですけどなんとこんなに面白くて考えさせられるお話だとは！！！もう本当にあとがきで書いてあることって事実だなーって思って涙が止まりませんこんな素敵なお話ありがとうございました (4月27日 22時) (
レス) @page50 id: 13f4a23a05 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - お話自体も泣けるしあとがきで追い討ちかけてきた…最高すぎる作品です…‼︎ (2月28日 22時) (レス) @page50 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - この話凄く好きです！最後の方泣きそうになりました笑他の作品も読んでみたいなって思いました！ (2月3日 6時) (レス) @page50 id: 8f0b2947d1 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - すんごくよかったです！ワンピースの作品を読んだのは初めてなんですけど、面白かったです！夢主ちゃんの優しいところがすごく好きです！ありがとうございます！ (9月2日 12時) (レス) @page50 id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 何年も前に読んだこの作品の内容をふと思い出して、必死に検索し続けてようやく再会出来ました。最後に読んでからこんなに年月が経っているのに、また読みたいと思わせてくれるような作品を作ってくれて本当にありがとうございます (8月7日 0時) (レス) @page50 id: 0f8f6ed9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年2月3日 9時
