疑心暗鬼。 ページ39
「白ひげ海賊団はいまエースとAを助けるために戦争をしている！何してんだ、こんなとこで…！」
『……私も？』
驚いて、ドサリともっていた鞄を落とした。大きく頷いたスクアードさんの表情が翳る。
「オヤジが……おれたちを…」
慌てて拾った鞄の中から、携帯を取り出す。ほんとうに、今日の私には神様がついてる。
『これ、聞いてください。』
ピ、と再生ボタンを押すと、音声が流れ出した。
"───「えー、作戦だが、白ひげ海賊団の傘下にスクアードという男がいるはずだ。そいつに、白ひげが裏切ったという話をもちかけろ。あいつは、ゴールド・ロジャーを恨んでる。」
───「了解。」"
プツン、と電話が切れた音がして、そこで録音は終了した。
「なんだこれは……！トーンダイヤルか？！」
『まあそんなものです。……あれは、嘘です。だから、』
白ひげさんを刺さないでください、という前にスクアードさんが悲痛な声で叫んだ。
「だが……！エースは俺が憎みに憎んだゴールド・ロジャーの息子だ！オヤジはそれをおれに隠してた…！」
『エースは、貴方のことを"イイヤツだ"と、"好きだ"と言ってました。』
「 ！ ……。」
『親のことで一番苦しんでるのはエースです。』
あなたにとって、エースは憎む対象ですか？と聞くと、スクアードさんはゆっくりと横に首を振った。
「おれは……オヤジ、すまねェ！」
きっと顔を上げたスクアードさんは、もう先程までの恨みに満ちた顔はしていなかった。
「Aは海軍本部のどこかに閉じ込められてると聞いていたが……逃げ出してきたのか？それならすぐにオヤジの元へ連れていこう！」
『いえ、大丈夫です。』
「何言ってんだ！ここは危ねェし、こんなところにいる意味が無いだろう！皆お前を待ってるぞ！」
『エースは、このままだと死にます。』
「おれたちが何とかする！だから───」
『エースは白ひげ海賊団にとって必要です。……私は、そうじゃない。』
だから、大丈夫です。そう言ってニコリと笑う私に、スクアードさんが口を開いた瞬間、海兵が角から現れた。
「覚悟！！」
振り上げられた刀をカキィン、とスクアードさんが止める。そのスキを見て、走りだす。
「ま、待てェ！！」
「いかせるかァ！！！」
「くそッ、」
ナイスタイミング。私を仲間と認識してスクアードさんと応戦してくれてる。ふたりの戦う音を背に、視界の奥にそびえ立つ高い高い塔に向かって走った。
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xxxxxers(プロフ) - 本当にワンピースミリしらでタグにトリップと書いてあったので興味本位で見てみたんですけどなんとこんなに面白くて考えさせられるお話だとは！！！もう本当にあとがきで書いてあることって事実だなーって思って涙が止まりませんこんな素敵なお話ありがとうございました (4月27日 22時) (
レス) @page50 id: 13f4a23a05 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - お話自体も泣けるしあとがきで追い討ちかけてきた…最高すぎる作品です…‼︎ (2月28日 22時) (レス) @page50 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - この話凄く好きです！最後の方泣きそうになりました笑他の作品も読んでみたいなって思いました！ (2月3日 6時) (レス) @page50 id: 8f0b2947d1 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - すんごくよかったです！ワンピースの作品を読んだのは初めてなんですけど、面白かったです！夢主ちゃんの優しいところがすごく好きです！ありがとうございます！ (9月2日 12時) (レス) @page50 id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 何年も前に読んだこの作品の内容をふと思い出して、必死に検索し続けてようやく再会出来ました。最後に読んでからこんなに年月が経っているのに、また読みたいと思わせてくれるような作品を作ってくれて本当にありがとうございます (8月7日 0時) (レス) @page50 id: 0f8f6ed9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年2月3日 9時
