嵌められたのは。 ページ38
小一時間したころだろうか、ドアから恐る恐る顔を出すと、二人は壁にもたれかかってすぅすぅと寝息を立てていた。
とんとん、と叩いても揺さぶってもピクリとも反応しない。薬がよっぽど効いているようだ。
(ごめん。貴方達のことは、割と好きでした。)
体格の比較的近いコビーを渾身の力で部屋に引きずり込み、ごめんなさいと心の中で何度も謝りながら……あの……痴女という誤解はして欲しくないんですが…まあ、服を脱がせた。
ダイジョブ、下着きてるから！セーフ！
脱がせた海軍の制服を、バサリと羽織る。
少し大きめな服と帽子は、顔と体型を隠してくれるくらいで丁度いい。
" ごめんなさい " と書かれたメモを机の上に残し、ズルズルと椅子を引きずって椅子に登り、換気口の蓋を外す。
やっと私一人が通れるくらい。
この世界のひとは大きすぎるから、ここに人が通るという感覚がなくて、油断してたのかもしれない。
埃だらけのそこによじ登り、小さな鞄ひとつを抱えて真っ暗な通路を四つん這いで進む。
どのくらいそうやって進んだだろうか。
かなり腰が痛くなってきたそのとき、向こうに光が見えた。
『外だ……！』
遠くから悲鳴や喚き声は聞こえるが、あまり戦場からは近くないのかもしれない。
光の元までたどり着くと、よっこらせと蓋を開けて地上に顔を出す。周りに誰もいないのを確認して、サッと外に這い出た。ぐ、と体を伸ばす。
人の声がする戦場に向けて足を進めようとしたとき、聞いたことのある声がして慌てて隠れた。
「テメェの口車に乗ってたまるか！」
どこかで聞いたことある声。少しだけ顔を出して、その声の主に気づく。
(スクアードさん……！)
前に、白ひげ海賊団で会ったことある。気さくないい人だった。
「ウソじゃァ思うのならよう見ちょれ。これからの集中攻撃……お前ら傘下のみが攻撃される！」
それだけ言うと、踵を返し去っていくサカズキさん。うそだ、と膝をついたスクアードさんが、頭を抱える。
「そんな、オヤジが裏切るなんて……」
『そーですよ、そんなこと有り得ないです。』
「なっ、」
いきなり後ろから声をかけた私を振り返り、海兵だと認識した瞬間、大きな刀をこちらに向かって振るおうとするが───躓いてこけた。
『あー……殺そうとするから…。お久しぶりですスクアードさん。覚えてますか？』
そう言って帽子を脱ぐ。
「A……？！」
彼の目が大きく見開かれた。
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アップルパイ(プロフ) - お話自体も泣けるしあとがきで追い討ちかけてきた…最高すぎる作品です…‼︎ (2月28日 22時) (
レス) @page50 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - この話凄く好きです！最後の方泣きそうになりました笑他の作品も読んでみたいなって思いました！ (2月3日 6時) (レス) @page50 id: 8f0b2947d1 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - すんごくよかったです！ワンピースの作品を読んだのは初めてなんですけど、面白かったです！夢主ちゃんの優しいところがすごく好きです！ありがとうございます！ (9月2日 12時) (レス) @page50 id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 何年も前に読んだこの作品の内容をふと思い出して、必死に検索し続けてようやく再会出来ました。最後に読んでからこんなに年月が経っているのに、また読みたいと思わせてくれるような作品を作ってくれて本当にありがとうございます (8月7日 0時) (レス) @page50 id: 0f8f6ed9fd (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 凄く感動しました、エースとオヤジを生存させてくれてありがとうございます (2023年3月23日 7時) (レス) id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年2月3日 9時
