杞憂無用 ページ37
手すりに足をかけようと、身を乗り出した時。
「A！はよ！」
明るい声に引っ張られるように後ろを振り向くと、そこには朝から元気そうなエースの姿。
『おはよう、エース。』
タイミング悪いな、その気持ちを押し殺してにこりと笑う。朝からテンション高いっすね…
「いまから食堂いくとこか？」
『うん。ちょっと、道に迷っちゃって…』
困ったように笑うと、エースも笑った。
「まあ、この船広ェし仕方ねェよ！ゆっくり覚えてけばいいさ。」
はは、と笑う。きっと、覚えようと思えばすぐ覚えられる。まあ後は、覚える気、かな？
「とりあえず、一緒行くか！」
『ごめん、ありがとう。』
エースと並んで歩き出す。思ったより食堂はすぐ側だったみたいで、食事のいい匂いが当たりに漂う。
「おォ！エース、おはよう…って、Aもいたのか！エースで見えなかったぜ！」
フライパンを振りながら厨房の奥から声をかけてくるサッチさんにぺこりと頭を下げる。ほんとにコックさんなんだなあ…あんな変なリーゼントなのに…。
『これ、私もいいの？』
「当たり前だろ！遠慮すんな！」
お言葉に甘える。どうやら好きなものだけ取る形式らしく、朝からありえない量をとっていくエースを横目にヨーグルトとサラダだけ取る。
コトリとテーブルにトレイを置くと、エースがぎょっと目を剥いたのが分かった。
「おま、それだけか…？！」
『…？うん。』
逆にエースが食べ過ぎなんやないの？下手したら朝食べないこととかザラなんだけど…。
「おはよう。エース、A…ってそれだけか？」
そう声をかけてきた背の大きな人は…たしか、
『おはようございます、ジョズさん。』
その後ろからひょこりと顔を出した王子様風男の子もトレイを見て少しだけ眉を顰めた。
「足りるの？」
『はい。』
別に特別少食って訳ではないんだけど…朝食べる気があんまりしないってだけで…。
ってか、君たちが異常なんじゃ…？
周りの船員たちが私のトレイを見ては心配げな目で見つめてくる。…え、そこまでじゃないでしょ。
「お前、細ェからな…」
エースが顎に手を当てて唸る。うーん…この世界の人達ががっしりしすぎなんじゃ…私元の世界じゃそこまで細いほうじゃなかったし。
『私の世界では割と普通だよ。』
「…昨日の話からすると結構裕福だったんじゃねェのか？」
『食事に困ったことはないけど…民族性？』
まあ全体的に童顔だし発育もあんまり良くないよね、日本人って。
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勿忘草 - 突然道徳の授業が始まって吹きましたw (2020年7月12日 12時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
Y.K - 900個目の投票しましたww (2020年6月19日 20時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - これで三周目 (2018年12月26日 11時) (レス) id: 56d3c1a18a (このIDを非表示/違反報告)
もちチーズ(プロフ) - りんごさん» 口先三寸というのは間違った日本語で舌先三寸というのが正しい日本語です！間違った日本語を披露してお恥ずかしい…！御指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。 (2018年2月4日 14時) (レス) id: 0cb5a701fd (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 口先三寸って舌先三寸じゃないんですか？？間違っていたらごめんなさい。 (2018年2月3日 17時) (レス) id: a064980027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2017年10月22日 11時
