海角天涯 ページ28
「A、といったか？」
ふらりと現れたのは着物を着た和風美人の人。
見覚えのあるその人が少し罰の悪そうな顔をしているのを見てあぁ、と思った。
「銃を向けてすまんかったなァ、怖かったろ？」
『あー…まあ初めての経験でしたけど警戒されて当然な状況だったので仕方ないですよ、気にしないで下さい。』
笑ってそういうと少し安心してくれたみたいだ。てかそのまんま引き金ひいてくれて良かったんだぞ…
「銃を向けられたことがない、か。Aはお嬢様か？それともそっちの世界は割と平和なのか？」
『お嬢様って…そんなもんじゃないですよ！まあ、私の住んでいたところは平和だったと思います。銃も刀も一般人は持ったら捕まってましたし。』
「よくそんな所で生きてきて武器を向けられて平然としてたなあ」と言われる。
『夢だと思ってたんですよ』
そう言うと、ああ、と納得したように皆頷いた。
…それだけが理由じゃないけど。
突然思い出したポン、と手を叩く和風美人さん。
「自己紹介してなかったなァ！おれの名前はイゾウっつうんだ。宜しくな。」
おれ…イゾウ…って……？！
『…男？！』
この船ナースさん以外に女の人もいるんだーって思ったけど！ハスキーだと思ったけど！男なのにこんなに美人ってどうなの…。
一瞬しん…と静まり返ったあとどっと笑いが起きる。
「ぎゃははは！イゾウが女だってよ！」
「久しぶりだなこの勘違い！」
「うるせえ！」と怒鳴りつける声も男と知った今では男のものにしか思えない。
うわああ…失言すぎた！絶対不愉快になった…！
『ごごごめんなさい！いやあまりにも綺麗だから…ってあの、本当に女っぽいって訳じゃなくて！』
青ざめて慌てて弁解する私を見てハハッと笑い声を上げるイゾウさん。
「いやいいさ、気にすることはねェ。それにしても嬢ちゃん…なんかこう、そっちの方がいいな。」
『そっちの、方？』
どういうことだろう。言っている意味が分からなくて聞き返すと周りの男達もうんうんと頷く。
…え、なに？よく分からん。
「さっきまでは、なんか偉く他人行儀っつーか…こう…感情のブレがねえっつーか…」
「まあ出会いが出会いだしおれ達はこんなんだし仕方ねえかなって思ってたんだけどな、」
「ようやく自然体で話してくれたって感じがして嬉しいぜ！」
"どうせすぐ消えるから"と、どこか距離を置いてただのイイコでいた私。
……それに気づかれたことに少しだけ、驚いた。
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勿忘草 - 突然道徳の授業が始まって吹きましたw (2020年7月12日 12時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
Y.K - 900個目の投票しましたww (2020年6月19日 20時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - これで三周目 (2018年12月26日 11時) (レス) id: 56d3c1a18a (このIDを非表示/違反報告)
もちチーズ(プロフ) - りんごさん» 口先三寸というのは間違った日本語で舌先三寸というのが正しい日本語です！間違った日本語を披露してお恥ずかしい…！御指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。 (2018年2月4日 14時) (レス) id: 0cb5a701fd (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 口先三寸って舌先三寸じゃないんですか？？間違っていたらごめんなさい。 (2018年2月3日 17時) (レス) id: a064980027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2017年10月22日 11時
