◇2351. とある夢、とある男の懺悔 ページ4
.
＿＿＿＿＿何かを、探していた気がする。
…………ああ、そうだ。
四つ葉のクローバーを探していたんだった。
持っていれば幸運になれるらしいから。
手には３本の四つ葉のクローバーが握られている。
あと１本。
「……何をしている」
『四つ葉のクローバー集めてる。
母さんと、父さんと、イヴの分。
あと1個…………』
……聞いたことない声、だったかもしれない。
振り向けばそこには男が立っていた。
『……誰?』
「_____」
母さんは家族以外の人を家に上げたがらないから、父さんの友人だろうか。
そういえば父さん、さっき誰かと話してたな。
この男と話していたのだろうか。
少しだけ僕より背が高い、赤い目をした男だ。
髪が長いから一瞬女かと思った。
「…………っ……」
すると男は突然、僕を見るなりその場合で泣き始めた。
座り込んで、大声で泣く。
泣く。
『ど、どうしたの?
どうして泣いてるの?
どこか痛いの?
何か悲しいことでもあったの?
言ってくれなきゃわからないよ
…………ねえ』
丸くなった背中を撫でながら、男に問う。
「…………っこんな、」
『え?』
「こんな事があっていいものか!!
どうして、
どうしてお主らなんだ
お主らばかり、こんな、……っ
ああああぁぁぁ…………!!!」
……よっぽど、悲しいことがあったんだろうな。
ふと、視線を落とせば男の近くに��それ��があった。
僕は��それ��を引っこ抜き、男に差し出す。
『ねえねえ
これあげるから、泣き止んで』
「……?
これは……」
『知らないの?
四つ葉のクローバーだよ
持ってると幸運になるんだよ
お兄さん、悲しいことがあったんだよね?
だから泣いてるんだよね?
全部あげるから
だから泣かないで?』
男は僕から四つ葉のクローバーを受け取る。
僕は男の頭を撫でた。
すると男は、涙を流しながらも、僕に微笑んだ。
誰だったかな……。
僕はその男のことをなんて呼んでいたんだったかな。
………………ああ、そうだ。 僕は、
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - すたさん» コメントありがとうございます。最初から見てくれるの嬉しいです。頑張ります (6月11日 23時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
すた(プロフ) - うおおお！！おもろすぎて最初から見てきました！応援してます！！ (6月11日 22時) (レス) @page50 id: 547c4df5f1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 潤華さん» コメントありがとうございます。とても恐れ多いですが、すごく嬉しいです。頑張ります (5月20日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
潤華 - 冬雪さんが全占ツク作者の中で一番好きです(変に作者がずけずけ出てきたりしないし)！面白くて何回も見返してしまいます！これからも応援しています、頑張ってください✧ (5月20日 19時) (レス) id: 9876854e3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます。楽しみです。頑張ります (5月13日 6時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2023年3月20日 0時
