◆2120. 恐レルベキモノナド ページ15
Ｎｏ ｓａｉｄ.
『ほら、あそこ』
Aが指差した先には、確かに人影のようなものがあり、目を凝らしてよく見れば、此方に背を向けてぶつぶつと小さく呟くジャミル・バイパーが立っている。
エペル「か、完全に暗闇と同化してて気付かなかった……」
イヴ「ジャミル先輩、どうかしたの……？」
『…………さあ？』
虫型のファントムの大量発生により、ジャミル・バイパーは完全に混乱状態となり、Aの手を取り、無我夢中でその場を駆け出した。
しかし、それも限度内を越え、キャパオーバーとなり、理性という名の張り詰めていた糸が切れたジャミル・バイパーは一心不乱に魔法をファントム達に撃ち続けた結果がコレである………………なんてAは言えるはずもなく。
ジャミル・バイパーの尊厳を守るため、すっとボケるという選択肢を選んだ。
『ジャミル先輩。ジャミル先輩ー』
ジャミル「………………ハッ！ 害虫どもは！？」
『ジャミル先輩が魔法をばかすか撃ちまくったから、虫型のファントムは掃滅しましたよ』
ジャミル「そ、そうか……悪は滅びたのか」
ジャミル・バイパーは心底安堵したかのように、吐息を洩らした。
ジャミル「なんだかどっ、と疲れたよ……」
『まあ、魔法をあれだけ乱れ撃ちしてたら疲労も溜まりますわな』
イヴ「突然飛んできた炎の弾や氷の刃は、ジャミル先輩の攻撃魔法だったんですね」
ルーク「……じゃあ、この床に咲き乱れている草花もジャミルくんの魔法ということかな？」
ジャミル「無我夢中で撃っていたので何の魔法を使ったかは覚えていませんが、多分そうだと思います」
「そうか……」と、ルーク・ハントはどこか含みのある表情で足元に突如生えた植物を凝視する。
カモミールローマンにミモザ、霞草。
ルーク「(どれも癒しの効果がある植物。 しかしただ咲いているだけのようだ)」
この植物が突然咲くはずのない場所から咲く現象を、ルーク・ハントは何処かで目の当たりにした記憶があった。 しかし、溜まっている疲労感が記憶の再起動の邪魔をする。
ふとAとイヴに視線を移せば、
『あははー、お花だー』
「ふふふ、お花だねー」
と、はしゃぐ２人を見て、ルーク・ハントは心が緩んだ。
ルーク「(彼女達が無事再会できたのなら、それでいい。 余計な事は、今は考えなくていい)」
.
◆2121. 淡イ 笑顔→←◆2119. トメドメ ノ 無イ 乱舞
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる！！！夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん！？！？夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…？ (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2022年7月23日 0時
