◆2107. 何度 引キ離サレタトシテモ ページ2
No said.
イヴ「(暗くて、静か)」
不気味なほどに。
今までの収容所とは違い、この収容所は血気に満ちたファントムの奇声や、噪音が度々聞こえるというのに、どことなく奇妙だ。 得体が知れない。 そもそもファントムからして得体が知れないというのに、今回足を踏み入れた収容所は、収容所自体得体が知れない。
この暗闇だけでも、人をどこまでも不安にさせる。
エペル「イヴサンは大丈夫? どこも怪我してない?」
イヴ「私は平気だよ。
……でも、Aちゃんが心配だよ」
エペル「そう、だよね……」
エペル・フェルミエはこういう時、どういう言葉を送ればいいのか、少々頭を悩ませた。
どうしたら………………
イヴ「今頃、どこかで転んだりしてないかな?
お腹空かせたりしてないかな? Aちゃん、格納庫で休憩を取った時、ご飯を食べるよりも睡眠を優先してたから本調子になれてないと思うの。 あ、あと1人でファントムのケージを調べたりしてないかな?」
エペル「なんとなく、イヴサンがAサンのことをどう見てるのかわかった気がする」
都会に行ってしまった子供を心配する母親の図。
エペル・フェルミエにはイヴがそう見えた。
イヴ「休憩〜、とか言ってファントムのケージの上に座ったりとかしてないかな?」
エペル「いやいやさすがにそんなこと…………」
エペル・フェルミエは、
「(なんかちょっとやってそうだな)」と思った。
ルーク「イヴくんのAくんを思う気持ち、とてもよくわかるよ。 私も、今頃ヴィルが獣の如きファントムに暗闇の中、翻弄されているのではないかと……」
エペル「…………………………」
エペル・フェルミエは、
「(いや、あの人なら大丈夫だろ)」と思った。
本来のヴィル・シェーンハイトであれば、魔法を使用せずに拳1つでぶっ飛ばしそうだ、と。
エペル「(これ、つっこんでもいいの、かな?)」
どんな言葉をかけてやればいいのか本気でわからなくなったエペル・フェルミエは、
「(……A、助けて)」と助けを求める始末。
ルーク「とにかく、離れ離れになってしまったヴィル達と合流しよう。 何度も彼らと引き離されては私も堪ったものじゃないからね」
エペル「そ、そうですね!
この収容所には、今までのよりも強いファントムが収容されていると聞きますし」
イヴ「……行きましょう」
.
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冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる!!!夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん!?!?夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…? (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2022年7月23日 0時