◇1709.矛盾した精神 ページ37
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『……僕、ちょっと外に出て来ます。 髪は後で自分で片付けますんでそのままにしておいてください』
ヴィル「ルークの所に行くの？」
そう言われ、部屋の扉の前で、立ち止まる。
……あの視線が、ルーク先輩だったらどうしようか
考えてなかったな。
『どうだろう。 少なからず、今あの変態狩人に会いたくない、とは思ってないし』
ヴィル「……」
『それに』
ヴィル「？」
『可愛い後輩である僕を騙した嘘吐きなオネエ様には、絶対教えてやりませんよ』
笑ってそう言えば、「生意気」とヴィル先輩は微苦笑を浮かべた。
僕は部屋を後にした。
ヴィル「＿＿嘘なんて、一言も言ってないわよ」
少し早足でポムフィオーレ寮内の廊下を駆ける。
『(頭がめっちゃ軽い)』
元の長さに戻った髪に幸せを感じつつ、あの変態狩人を探しながら、あの部屋から見える庭へと目指す。
やはりあの男は理解出来ない。
何を考えているのかわからないし、何を考えているのかも教えてくれない。 そりゃそうだ。あいつは自分のことを話そうとしない。
それなのに��知りたいから��と、��好奇心だから��と、他人の領域に入ろうとするその矛盾した精神はマジで失礼極まりない。
相手のことを知りたいなら、自分のことも知られる覚悟くらいしておけよな。
『(……イヴなら、どうするだろう)』
ヴィル先輩なら？ トレイ先輩なら？
どんなに考えても、僕はあいつへと投げる��ピッタリな言葉��が思いつかない。
悩んでいるうちに、庭へと辿り着いてしまった。
『(たしか、この辺……)』
一歩、と足を動かす。
『！』
なんとも言えぬ気配を感じ、振り返るとそこには変態狩人が立っていた。 珍しく下を向いている。
『……ルー、』
呼びかけようとした刹那、不意に手を掴まれ、僕の手はルーク先輩の胸へと誘導された。何故。
『うわあああ！？ なになになになに！？』
ルーク「この胸の高鳴りはなんなんだ！？」
『……は？』
ルーク「君と目が合った瞬間、私の心臓が大きく音を立てたんだ！ 鼓動が激しく、止まないんだ！ なんなんだこれは、これはなんなんだ！！ 君は私に何をした！？」
『知るか！！！！』
ズイッ、と顔を僕に近づかせる変態野郎に頭突きをお見舞いした。 僕は額を、ルーク先輩は顎元を押さえ、悶えた。
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◇1710.とある【感情】に翻弄された男の話→←◇1708.プライド
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冬雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そこまで褒め潰されてしまうと照れてしまいますねえ。とても嬉しいです (2022年5月9日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 悪役だけを。を読んでもっとツイステが好きになりました。それぞれの主人公達に対する感情が細かく書かれていて何度も読み直しました！無自覚だったり少し歪んでいたりNRC生らしさが出ていて二次創作の中で1番キャラ達の性格が原作に近いと思っています！ (2022年5月9日 1時) (レス) id: 8cb660ee08 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 乙女になりたい。さん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年12月25日 12時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
乙女になりたい。(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです！無理せずに応援してます！ (2021年12月25日 3時) (レス) id: 164d74e16c (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 猫太郎さん» コメントありがとうございます (2021年11月28日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年11月14日 0時
