【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ8)

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◆1596.恐ろしいと思えるほどにページ8

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ジャミル「Aとイヴはどうする？」

イヴ「がっつりお肉マシマシで！」
『がっつり肉マシマシで！』

ジャミル「わかった。それでは注文してこよう。ちょっと待ってろよ」

そう言ってジャミル先輩はケバブの店に駆け寄ると、メモすらしなかった僕達の注文を店主によどみなく伝え始めた。

トレイ「ちゃんと覚えているんだな」

ケイト「さすが、ジャミルくんだね〜」

『シャーワルマー、初めて食うかも。あの時は食えんかったし』

イヴ「あはは……」

しかも初めて食うやつが地元のやつときた。
これは期待出来る。

待っている間、シャーワルマーの屋台の隣に立っている民族装飾のアクセサリーが並んでいる屋台を覗きに行こうとすると、

「わっ！」

『！』

誰かとぶつかり、ぶつかった奴が転びそうになったところを手を引いて、立たせる。

『大丈夫か？』

「す、すみません！こっちがぶつかったうえに助けてもらっちゃって……」

『気にしないでいいよ。僕も周り見てなかったし』

ぶつかった奴は僕より少し歳下のように見える黒肌の女だった。黒髪に黒目。なんとなくジャミル先輩に似ているような……。

『(そういえば、ジャミル先輩って妹がいたよな)』

グリム「おーい、Aー！食いもんが来たぞー！早く来ねーと、オレ様が食っちまうぞ！」

「……A？」

『グリム、君は少し自粛しろ！！
んじゃ、今度は気をつけてね』

女にそう言い聞かせ、僕はすぐにグリム達の元へ戻った。

ジャミル「何をしていたんだ？」

『ちょっと地元の子をナンパしてました』

ジャミル「バカか」

ジャミル先輩から通常のシャーワルマーよりも肉がめちゃくちゃ挟まれたシャーワルマーを手渡される。肉だけでなく、レタスもあるため隙間なく贅沢に挟められている。

ケイト「おー、野菜とソースのコントラストがいいカンジじゃん」

マレウス「ファーストフードの食べ歩きか……滅多にない体験だな」

グリム「ウマそー！全部入りなんて夢のようだゾ！」

イヴ「ありがとうございます、ジャミル先輩！あの、お金は……」

ジャミル「心配するな。カリムの父親が全部つけておいて構わないと言っていた」

『カリムの父さんヤベー』

さすがカリムの父。恐ろしく思えるほどに懐がデカい。

ジャミル先輩はどんなの頼んだんだろうと思い、顔を上げた時だった。ジャミル先輩の手からシャーワルマーを誰かが取ったのだ。

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