【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ4)

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◆1592.夏の風物詩ページ4

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『有名人とか来るのかぁ……君達にはこんな所相応しくないって言われて手袋投げられたりすんのかな』

ジャミル「ポムフィオーレじゃないんだから、そんな事あるわけないだろ」

ポムフィオーレ寮の寮生達は、優美な雰囲気を醸し出しているわりには思考と腕力がゴリラに等しいため、よく喧嘩を売ってきては手袋を投げつけてくる。

僕は面白いから嫌いではない。

マレウス「観光席を覆っている天幕の緑色は、この国に来てから何度も見るな」

ジャミル「ピーコックグリーンは、伝承の姫君が好んで身につけていた色だそうです。祭りの最中は、ピーコックグリーンを基調とした織物で、街中が飾り付けられています」

『バンダナの色もそうだけど、イヴが履いているズボンもピーコックグリーンだよね？』

イヴ「そういえばそうだね」

『ってことは、イヴは姫ってこと？なにそれエモい！』

イヴ「そ、そんなんじゃないと思うよ！？」

「絶対違うよ！」と全力で否定するイヴ。
可愛ゆいな。

トレイ「あっちのテントは、赤い布が貼られているな」

トレイ先輩が指したのはピーコックグリーンのテントよりも少し小さめのスカラビアでよく見る赤茶色のテントで、数人用というより１人用に見える。

ジャミル「あちらは、やはり国民人気の高い、伝説の＂砂漠の魔術師＂のイメージカラーです」

『へー』

ケイト「どの角度で撮るのが映えそうかな〜。ねえジャミルくん、花火はどこから上がるの？」

ジャミル「この会場の前に流れている河の対岸からです」

河を挟んだ向こう側。

よく目を凝らして見れば、たしかに簡易テントを立てて人が集まっている。おそらく花火職人の奴らだろう。

ジャミル「＂絹の街＂のどこからでも、花火は見えるのですが……間近で見ることができ、大迫力の音を味わえるこの会場は、とても人気がありますね」

トレイ「そのために、みんな席取りをしているわけだな」

花火は夏の風物だ。

この祭りを楽しむためにはより良い席を陣取るのが当たり前なのだろう。大変である。

もう前の方はシートなどで埋まっちゃってるし。

グリム「なー、花火の話はもう十分聞いたんだゾ。いい加減、腹が減って目が回ってきた……」

ケイト「グリちゃん自由だなぁ」

イヴ「な、なんかすみません……」

ジャミル「わかったよ。
それでは＂ラクダバザール＂へ向かおう」

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